ロッテの涌井秀章投手(32)が2019年1月17日、契約更改を行い、現状維持の2億円(金額は推定)でサインした。背番号は「16」から「18」に変更となった。去就に注目が集まったベテランの契約更改で補強を含めた戦力が出揃い、ロッテの今季のチーム構成がほぼ固まった。
涌井は昨季、22試合に先発して7勝9敗、防御率3・70と2年連続で負け越した。調子を落とした8月には2軍落ちするなど、チームの勝負所で結果を残すことが出来ず、期待された2ケタ勝利にも届かなかった。
年が明けてからは新外国人の獲得ラッシュ
今回の現状維持はフロントの期待値が含まれるものとなるが、一部ファンからは2億円の年俸に「高すぎる」との声も。その一方で球団関係者からは現状維持はFA(フリーエージェント)で巨人に移籍した「丸のおかげ」と指摘する声もある。
ロッテは昨オフ、FAで丸佳浩外野手(29)の獲得を目指したものの失敗に終わった。一部報道では、ロッテが丸獲得に提示した条件は6年総額25億円規模とされ、超大型契約を用意していたという。
丸にフラれ、強化費に余裕が出来たロッテは、昨年末から今年1月にかけて補強を強化。丸の巨人移籍が決まる以前の2018年11月にケニス・バルガス内野手(28)を獲得し、丸の移籍決定直後の12月6日には楽天を戦力外となっていた細川亨捕手(38)と契約を交わした。
年が明けてからは新外国人の獲得ラッシュで、1月7日のメジャーリーガーのジョシュ・レイビン投手(30)の獲得に始まり、14日には横浜、DeNAに所属していたブランドン・マン投手(32)、翌15日には日本ハムから自由契約となっていたブランドン・レアード内野手(31)の入団が発表された。
結果オーライ?
5人の新戦力の年俸の合計は4億1270万円(金額は推定)。涌井の2億円を加算しても6億円を少し超える程度だ。課題のひとつである外野手の補強が遅れているが、ロッテが丸に提示したとされる年俸の1年分で5人の新たな戦力を手に入れたことを評価する声もある。
他球団の関係者は「ロッテはいい補強をしたと思う。もし、丸がロッテに行っていたら生え抜き選手との年俸差がありすぎて、チーム内がギスギスする可能性もあった。ロッテは丸の巨人移籍で浮いた金を有効に使ったと思いますね。1人分の年俸で5人も獲得できたのだから結果オーライでしょう」と話す。
潤沢な資金力をバックに丸獲得に成功した巨人と、丸にフラれながらも着実に戦力補強するロッテ。両チームの今季のシーズンに注目される。