徴用工やレーダー照射の問題で日韓の溝が深まる中、韓国側は日本側に対して「謙虚さ」を求めたり、「無礼」だと非難したりするなど、強硬姿勢を強めている。
そんな中で韓国の調査会社が行った世論調査では、「さらに強い対応」を求める声が、「現在の対応が適切」「対応を自制すべき」といった声を大きく上回った。韓国の政策の中で日本関係の政策の優先順位はきわめて低くなっているとはいえ、こういった世論が問題の「着地点」を探りにくくしている面もありそうだ。
強硬対応を求める人、60代以上は半数超
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2019年1月10日に行った演説では日本関係の話題は登場せず、その後90分間にわたって行った記者会見でも、日本関係の質問はNHK記者による1問のみ。しかも、文大統領が別の記者を指名したのを勘違いしてNHK記者が質問していた。このハプニングがなければ日本に関する話題は全く登場しなかった可能性もあり、韓国での日本の優先順位が低くなっていることを示しているともいえそうだ。
それでも文氏は徴用工問題に関するNHK記者の質問に対して、
「これは韓国政府が作り出した問題ではない。過去の不幸な長い歴史のために作られている問題だ。私は日本政府が、それに対してもう少し謙虚な姿勢を持つべきだと思う」
と述べ、日本政府の対応を批判した。
世論調査は、この文氏の発言を受ける形で、調査会社のリアルメーターがYTNテレビの依頼を受けて1月11日に行った。日本政府に対する韓国政府の対応について認識を聞いたところ、「現在よりもさらに強い対応をしなければならない」とする声は45.6%に達し、「現在の対応が適切」(37.6%)、「対応を自制すべき」(12.5%)といった声を大きく上回った。
年齢層別にみると、強硬対応を求めた人の割合は60代以上(52.4%)、20代(46.7%)、40代(43.5%)の順に高かった。