外食全体の懸念をどう吹き飛ばす
その逆風をはねのけるのに一役買ったのが、1月8日に発表された12月と2018年の既存店売上高だ。12月は前年同月比で8.8%の大幅増で、前年超えは37か月連続という快挙でもあった。3年1か月続いたということは、2014年の鶏肉偽装問題やその後の異物混入問題で遠のいた客足を戻した反転成長が2015年12月以降、連続して4年目に入り、しかもそれが大幅増を記録したことが好感されたわけだ。また、2018年12月の客数は7.4%増、客単価は1.3%増を記録。2018年通年の既存店売上高は前年比6.9%増で3年連続のプラスだった。
2018年3月に登場した「夜マック」が引き続き人気を博していることに加え、冬の季節商品であるコロッケを挟んだハンバーガー「グラコロ」の売れ行きが好調だった。夜マックは夕食需要を掘り起こすために午後5時以降、100円追加すればハンバーガーの肉が2倍になるというもので男性だけでなく女性にも人気で、新たな定番になりつつある。
ただ、現状の株価水準(1月11日終値で4800円)は、昨年来高値(6030円=2018年6月18日)より、なお2割も低い。これには外食産業に共通する人件費や材料費の増加を懸念する見方から2018年後半に売られてきた経緯がある。そのため市場では「現状よりさらに株価が浮上するには世の中を驚かせるようなもう一段の成長戦略が必要」との声が聞かれる。
(17日追記)ご指摘を受け、記事の一部を修正いたしました。