講師役「公衆電話を使うには、まず受話器を持ち上げます」。小学生「受話器って何ですか?」――
災害時など「いざ」という時の連絡手段として、子供たちに公衆電話の使い方を知ってもらおうと、日本公衆電話会(公益財団法人、本部・東京都新宿区)が周知に力を入れている。あるアンケートでは「公衆電話を使ったことがある小学生は2割以下」という結果も。小学生を対象にした「出張教室」の現場では、子供たちはどんな悪戦苦闘ぶりをみせているのか。現場の講師役担当者にJ-CASTニュースが話を聞いた。
「『使ったことある』小学生は2割」のアンケート結果も
2019年1月9日、ツイッターには、こんな感想が相次いで寄せられた。
「(小学生が)公衆電話の使い方がわからない...時代だな」
「そりゃそうだよね。携帯普及してるし」
この日に神戸新聞(ウェブ版)が「『受話器は持ち上げます』 公衆電話の使い方、分からない子続出」の見出しで配信した記事への感想だ。神戸市内の小学校であった、公衆電話の使い方を学ぶ出張教室(講師は日本公衆電話会兵庫支部長)の様子を伝えたもので、「受話器を手前にガチャガチャと引っ張る」「ダイヤルボタンの押す加減が分からなかった」「インターホンの受話器と混同」している子供たちの姿が紹介された。
「ケータイの普及」が指摘されて久しく、20~30代の若い世代では固定電話を設置していない世帯も珍しくない。公衆電話の使い方がよく分からない子供がいても不思議ではないのだが、あらためて実態が伝えられたことで注目を集めたようだ。
日本公衆電話会が2017年秋に都内で実施した小学生対象のアンケート調査(回答109人)によると、公衆電話を「使ったことがある」のは17.4%で、2割に満たなかった。
会(前身組織時代を含む)では、以前から小学校などに出向いて子供たちに公衆電話の使い方を伝える出張教室を開いており、2011年の東日本大震災の教訓をうけて力を入れ始めた。さらに近年では、現場担当者らが「公衆電話の使い方を知らない小学生が相当増えてきた」と感じるようになったそうで、「ここ数年」は、それ以前の2倍程度、全国で年間200回程度の出張教室を開くようにしている。