懸念される「アップル経済圏」への影響
その懸念通り、大発会の4日、東京株式市場は「アップルショック」とこれに伴う外国為替市場の円高ドル安で大荒れとなった。日経平均株価は一時、前営業日終値比3.9%(773円40銭)安の1万9241円37銭まで下げ、終値も2.3%(452円81銭)安の1万9561円96銭と2万円を大きく割り込んだ。
4日の東京株式市場で日経平均の下落率を大きく上回ったのがアップル関連株とされる電子部品銘柄だ。村田製作所一時12.5%安、終値9.8%安▽太陽誘電一時14.0%安、終値9.8%安▽TDK一時8.3%安、終値4.4%安▽日東電工一時7.7%安、終値4.4%安――と猛烈に売られた。その後、持ち直した銘柄もあるが、ショックは大きい。
iPhoneの変調は既に納入メーカーの業績にも影響を与えている。年間売上高の半分以上をアップル向けが占める、経営再建中の液晶大手ジャパンディスプレイは2018年11月、2019年3月期の売上高見通しを前年度比10~20%増から5~15%増に下方修正した。
電子部品日本勢の株価が大幅下落したのは、発売から10年を超えるiPhoneの成長の限界を市場がかぎとっている可能性もある。日本製造業の中でも世界的な競争力を維持している電子部品だが、「アップル経済圏」が停滞するようなことになればその成長力に黄信号が灯りかねず、株価にも試練の時が続くとみられる。