第3のビール「ヒット」に投資家不安
ビールより安い第3のビール「本麒麟」が年間販売目標を2度引き上げるヒットとなったことも、イオンなど流通大手から製造を請け負うPB商品に力を入れていることも事実だし、そのことがキリンHDの国内ビール系飲料市場のシェアを押し上げている。低所得の消費者にとってはありがたいことだが、株式市場的にはキリンHDの利益を押し下げると見るわけだ。また、キリンに限った話ではないが、2017年6月の酒税法改正による安売り規制でビールの店頭価格が上昇し、相対的に割安なチューハイに消費者の手が伸びていることも株式市場的には思わしくないできごとに映る。
それではキリンHDの株価が反転上昇するきっかけは何か。国内市場はシュリンクが続く一方、海外展開は高い授業料を払って撤退した歴史を持つキリンHDにとって鬼門。市場では「医薬事業を伸ばすなど思い切った改革が必要」などの声が聞かれる。