「請われて阪神に行くのだから、同情はされたくない」
事件の当事者である2人は現役時代、言葉を交わすことはなかったという。 2人が和解したのは2007年秋。日本酒のCMに江川氏と小林氏が共演し、現役当時を振り返りながら杯を交わすものだった。「空白の一日事件」から28年ぶりの和解だった。
FAとトレードによる違いはあれど、両者に共通するのは事実上の強制的な移籍。巨人を牽引してきたプライドもあったのだろう、球団を去る際の小林氏と長野のコメントには心情的に重なるところが垣間見ることが出来る。
「請われて阪神に行くのだから、同情はされたくない」(小林氏)
「自分のことを必要としていただけることは光栄なことで、少しでもチームの勝利に貢献できるように精いっぱい頑張ります」(長野)
球界を大きく揺るがした今回のFA人的補償問題。長野と丸、両者が歩み寄ることで、選手間においては一応の着地点を見出したようだ。