男気を見せる長野、逆風を受ける丸... 巨人ファン、チームメイト、OBの評価にも明暗

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   FA(フリーエージェント)の人的補償として巨人から広島に移籍した長野久義外野手(34)の背番号が「5」に決定した。広島は一桁の空き番号「5」と「9」を打診したが、長野自ら「5」を選択したという。背番号「9」は、昨季までFAで巨人に移籍した丸佳浩外野手(29)が付けていた。

   広島の鈴木清明球団本部長によると、長野が背番号「5」を選択したのは広島の生え抜きホープへの配慮だったという。その選手とは、2014年のドラフト1位で丸の後継者と期待される野間峻祥外野手(25)だ。昨季は、プロ4年目にして初の規定打席に到達し打率286.の成績を残している。背番号「9」は将来主軸を担うだろう野間がふさわしいとのことで辞退したという。

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カープファンからは「今度は長野選手の心を震わす大声援を送りたい」

   この長野の配慮にネット上では、巨人、広島の両球団ファンから絶賛の嵐。長野の男気あふれる気遣いにファンからの熱いメッセージが続出し、早くも広島ファンの心を鷲掴みしたようだ。

「既にカープのチームメイトのことや、9番が緒方孝市-丸佳浩の走攻守揃った選手の系譜のことを熟知している」
「人柄の良さだけでなく、器の大きさや人心掌握術に長けているなと感じますね」
「マツダの初打席、今度は長野選手の心を震わす大声援を送りたい」

   長野の場合、自身の意志が反映されないFAでの人的補償での移籍だけに、巨人ファンからは惜しまれる声やエールがほとんどで、引き続き広島・長野を応援するとのファンが多数を占める。広島の選手からは早くも長野の「歓迎会」プランも飛び出し歓迎ムードは高まるばかりだ。

   巨人と広島の両OBも長野の活躍に大きな期待を寄せる。元巨人監督の堀内恒夫氏は自身のブログで「選手層も厚い常にチームを若返りさせる そんなチームに君のようなベテランが必要とされたんだ。意気に感じて頑張ってもらいたい。それができる男だよ。まだまだやれるさ」とエールを送り、広島OBの北別府学氏も自身のブログで「長野選手が来てくれる これは、最高に面白い展開となりました」と歓迎の意を表した。

巨人OBから痛烈な一言も

   長野と対照的なのが5年総額25億5000万円(金額は推定)の大型契約で巨人に入団した丸だ。入団が決まった矢先の2018年12月2日に放送された「サンデーモーニング」(TBS系)で巨人OBの張本勲氏が、丸の移籍の要因について言及。

   「(巨人は)いい選手とりましたね。ただやっぱり年俸ですよ。絶対選手は口が裂けてもいいませんけどね、(提示額が)高いところにいきますよ。桁が違うからね」とズバリ言い切った。

   広島ファンの反応もまた丸に対して厳しい声が多数あがっている。条件面が良かったとされるライバル球団への移籍に、ネット上で熱狂的な広島ファンからは批判的な意見も見られ、マツダスタジアムで開催される今シーズンの開幕戦、広島-巨人戦でのブーイング予告もあった。

   巨人ナインの反応は概ね歓迎ムードだが、激しいレギュラー争いが予想される外野手には緊張感がみなぎっているという。これらを踏まえた上で、阿部慎之助捕手(39)は「巨人では違うプレッシャーがある。それを味わって頑張ってもらうしかない」と独特の言い回しでエールを送る。

   丸は2019年1月10日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを公開。室内練習場でキャッチボール、マシン打撃など軽めの練習だったが、巨人移籍後初の公開練習とあって、約50人もの報道陣が駆け付けた。広島時代には経験したことがないメディア攻勢で、早くも巨人の「洗礼」を浴びた。

   プロ野球関係者は「長野の人的補償での移籍で丸の風当たりが強くなったことは事実。ただでさえプレッシャーのかかる移籍だったが、これでメディアの注目度は一気に上がった。これからは一振り一振りに注目が集まる。業界内では丸が潰れてしまわないか心配する声が多く聞かれます」と話した。

   背番号の「譲渡」で一段と男を上げ、ファン共々味方に付ける長野。一方、かつて経験したことのない状況下で調整が続く丸。2月のキャンプインを前に早くも両者の明暗がくっきり分かれた。

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