巨人OBから痛烈な一言も
長野と対照的なのが5年総額25億5000万円(金額は推定)の大型契約で巨人に入団した丸だ。入団が決まった矢先の2018年12月2日に放送された「サンデーモーニング」(TBS系)で巨人OBの張本勲氏が、丸の移籍の要因について言及。
「(巨人は)いい選手とりましたね。ただやっぱり年俸ですよ。絶対選手は口が裂けてもいいませんけどね、(提示額が)高いところにいきますよ。桁が違うからね」とズバリ言い切った。
広島ファンの反応もまた丸に対して厳しい声が多数あがっている。条件面が良かったとされるライバル球団への移籍に、ネット上で熱狂的な広島ファンからは批判的な意見も見られ、マツダスタジアムで開催される今シーズンの開幕戦、広島-巨人戦でのブーイング予告もあった。
巨人ナインの反応は概ね歓迎ムードだが、激しいレギュラー争いが予想される外野手には緊張感がみなぎっているという。これらを踏まえた上で、阿部慎之助捕手(39)は「巨人では違うプレッシャーがある。それを味わって頑張ってもらうしかない」と独特の言い回しでエールを送る。
丸は2019年1月10日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを公開。室内練習場でキャッチボール、マシン打撃など軽めの練習だったが、巨人移籍後初の公開練習とあって、約50人もの報道陣が駆け付けた。広島時代には経験したことがないメディア攻勢で、早くも巨人の「洗礼」を浴びた。
プロ野球関係者は「長野の人的補償での移籍で丸の風当たりが強くなったことは事実。ただでさえプレッシャーのかかる移籍だったが、これでメディアの注目度は一気に上がった。これからは一振り一振りに注目が集まる。業界内では丸が潰れてしまわないか心配する声が多く聞かれます」と話した。
背番号の「譲渡」で一段と男を上げ、ファン共々味方に付ける長野。一方、かつて経験したことのない状況下で調整が続く丸。2月のキャンプインを前に早くも両者の明暗がくっきり分かれた。