原監督は「足し算」と「引き算」で表現
ここで新たに浮上するのが人的補償問題である。高額年俸を誇る内海と長野はFA制度上のランクB以上が濃厚で、FAで巨人に復帰した場合、それぞれが所属する球団は巨人に対して金銭補償もしくは金銭補償プラス人的補償を求める権利が発生する。両者がそろってFAで復帰すれば、巨人は再び人的補償問題に直面することになる。
今回はベテランの2人が指名されたが、チーム状況は1年で大きく変化するため、西武と広島が次に同じくベテランを指名するとは限らず、若手の指名も十分考えられる。いずれにせよ、1つ歳を重ねた選手が復帰し、それに代わる戦力が流出する。この人的補償ループによる人事は巨人にとってリスクが大きく、戦力ダウンに直結する可能性もある。
また、プロテクトリスト作成において高年俸の生え抜きベテランをリストから外して今回のように流出させれば再びFAループに陥る危険性を伴う。その一方で若手をリストから外して流出すれば、「人材損失」としてファンから批判を浴びることは必至で、巨人フロントにとって人的補償は実に悩ましい問題でもある。
原辰徳監督(60)は今回の一連のFA補強に関して独特の言い回しで表現した。
「今回に関して足し算は丸、炭谷。引き算は内海、長野だった」
2019年シーズンオフに内海と長野が巨人に復帰すれば、引き算は誰になるのか。巨人のFA狂騒曲は今年も続きそうだ。