FA(フリーエージェント)による補強に成功した巨人に新たな問題が浮上している。今オフ巨人は、FAで西武から炭谷銀仁朗捕手(31)、広島からは丸佳浩外野手(29)を獲得。FA補強に関しては当初の目標を達成したが、一方で内海哲也投手(36)と長野久義外野手(34)の生え抜きベテラン選手を人的補償で失う憂き目に。FA権を有する内海、長野の2019年シーズンオフの動向に注目が集まる中、新たな問題が巨人フロントを悩ませている。
西武が内海を、広島が長野を指名した際に巨人・大塚球団副代表編成担当が発したのは「まさか」だった。この言葉を額面通り受け取れば、巨人フロントはプロテクトリストから外した内海と長野の流出は想定外だったということ。裏を返せば、巨人フロントは自ら「失態」を認めたことになる。
「失態」を裏付ける象徴的なコメントが、内海の西武移籍決定時に発表した巨人・石井一夫代表取締役社長兼編成本部長のもの。いち選手の移籍について球団トップが言及すること自体、異例のことだが、そのコメント内容は大きな波紋を呼んだ。
「再びジャイアンツに戻ってくれることを期待しています」
「今後は埼玉西武ライオンズで、これまで通り子どもたちのあこがれの的として活躍し続けていただき、いつの日か、再びジャイアンツに戻ってくれることを期待しています」
FA権を持ち、1年で巨人出戻りが可能な内海に対し、石井氏はこともあろうに将来的な巨人復帰のラブコールを送ってしまった。この発言に巨人フロントの動揺があからさまに見て取れ、内海のFAでの巨人復帰を公に容認する形となった。
内海の移籍に続いての「まさか」が、広島の長野指名。巨人・山口寿一オーナーは「何とも痛いですよね。紛れもないチームの看板ですよね」と話すにとどめ、将来的な巨人復帰に関しては一切触れなかった。
現行のFA制度では、内海、長野ともに2019年シーズンオフにFA権を行使すれば巨人復帰が可能となる。内海はすでに巨人から「お墨付き」をもらっており、今年4月に37歳となるため年齢的にもFAでの巨人復帰の可能性は高いだろう。一方の長野は、責任感の強さから広島に骨をうずめる可能性も考えられるが、2019年シーズンオフ以降、巨人復帰の道が残されているのは紛れもない事実だ。