「辺野古のサンゴ」は本当に移植されたのか 安倍首相発言の真偽、地元に聞いた

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   米軍基地移転に向けて海の埋め立てが進む沖縄・辺野古について、安倍晋三首相がサンゴは移植したとNHKの日曜討論で発言して、驚きの声が上がっている。

   沖縄県の玉城デニー知事が「現実はそうなっておりません」と反応するなど波紋が広がっているが、実際のところはどうなのだろうか。

  • 玉城沖縄県知事は「そうなっていない」としたが…
    玉城沖縄県知事は「そうなっていない」としたが…
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玉城沖縄県知事「現実はそうなっておりません」

   2019年1月6日放送の日曜討論では、各党首らを招いて「政治はどう動く」を特集した。安倍首相については、日程の都合で事前に話を聞いたとして、その発言を紹介した。

   沖縄の基地問題では、辺野古への土砂投入が話題になり、その映像も流された。これに対し、安倍首相は、こう説明した。

「土砂を投入していくに当たってですね、あそこのサンゴについては、移しております。また、絶滅危惧種が砂浜に存在していたんですが、これは砂をさらってですね、これもしっかりと別の浜に移していくという、環境への負担をなるべく抑える努力もしながら行っているということであります」

   ツイッター上では、この発言が大きな話題になり、サンゴを移植したというのは初めて聞いたといった声も相次いだ。中には、安倍首相がウソを言っていると非難する向きもあった。

   玉城デニー沖縄県知事は7日、ウソだとする他ユーザーの投稿をリツイートし、こう疑問を投げかけた。

「安倍総理...。それは誰からのレクチャーでしょうか。現実はそうなっておりません。だから私たちは問題を提起しているのです」

   知事発言も、7000件以上リツイートされ、反響を呼んでいる。

   サンゴを移植したという安倍首相の発言は、事実に基づいているのだろうか。

絶滅危惧種の9群体は移植されたが...

   沖縄県の水産課は1月7日、J-CASTニュースの取材に対し、絶滅危惧種になっているオキナワハマサンゴについては移植の事実はあると答えた。

   その説明によると、国の沖縄防衛局が埋め立て予定地で9群体を確認しており、県が2018年7月13日に特別採捕許可を出し、7月末ごろに近隣の同様な環境にある海に移植された。許可の条件とされた週2回のモニタリング調査も行われており、最新となる12月25日の調査では、9群体とも生息しているとする写真などでの報告が県にあった。

   埋め立て予定地には、ほかに大小のサンゴ約7万4000群体があると防衛局の調査が出ているが、これらはすべて、現在埋め立てしている辺野古地区ではなく、岬の反対側の大浦湾地区にあるという。

   このうち約4万群体について、県は9月3日、埋め立て承認の撤回で必要性がなくなったと国の申請を不許可にしている。これに対し、防衛局が12月6日に再申請して、19年1月7日現在も審査中だ。

   その意味では、埋め立て予定地のすべてでサンゴの移植が終わったわけではない。

   沖縄防衛局の広報担当者は7日、安倍首相がウソを言っているというのは誤解があり、埋め立てしている辺野古地区については、発言の内容に間違いはないと取材に説明した。

   なお、辺野古の砂浜には、巻貝や二枚貝に絶滅危惧種があり、それらは熊手などで砂ごとすくって近隣の砂浜に移動させたとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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