新たなNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」が始まった。主役は、オリンピックに日本人で初めて出場(1912年)した金栗四三(かなくり・しそう)と、東京オリンピック(1964年)の招致に尽力した田畑政治。5代目古今亭志ん生(1890~1973年)のものという設定の落語「東京オリムピック噺」でナビゲートしていく。
いわば「語り」的な存在の志ん生を演じるのは、ビートたけしさん(71)と森山未來さん(34)。2019年1月6日に初回が放送され、ツイッターでふたりに関する投稿が相次いだ。
ツイッター「あれでいいんだよ。だって志ん生なんだから」
初回に描かれたのは、1909年から11年にかけて。1960年の志ん生(たけしさん)が、若き日を振り返る体でスタートする。放送開始前、ネットには、バイク事故以来の滑舌がネックになるのでは、といった心配が出ていた。しかし、ふたを開けてみると、
「完全にたけしなんだけど何だか志ん生」
「たけしの志ん生が良かった。志ん生じゃないんだけど志ん生だった」
「たけしの語りが滑舌悪くて聴きづらいという評価があるようだけど、あれでいいんだよ。だって志ん生なんだから」
といった評価が多くみられる。
実はたけしさん、幼少期に見たこともある志ん生への造詣が深く、18年6月には『やっぱ志ん生だな!』(フィルムアート社)なる著作を出していた。また「立川錦之助」「立川梅春(ばいしゅん)」といった名前で時折、落語も披露している。太田光さんは16年2月16日の「JUNK 爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)で、たけしさんの落語を、こう評していた。
「たけしさんの、あの凄味。あれなんですよ。あれはまさに、古今亭志ん生の持ってる感じですよ。だから志ん生師匠も『なに言ってんだ、聞き取れない』って(聞き手が思う部分が)あっても、全然そこが味になるんです」
「若き日」を演じる森山未來にも注目が
なお、ストーリーでの「語り」は、終始たけしさんが担当するわけではない。初回では開始10分ちょっとで、若き日の志ん生(森山さん、役名は本名の美濃部孝蔵)が登場。たけしさんの「噺」を「あ~うっせえうっせえ! ちんたらちんたら、しゃべりやがって」と横取りし、その後は森山さんによる語りが中心となった。
ツイッターでは、「森山未來」が一時トレンド入りするほか、
「たけしさんと森山未來、似てる...」
「カッコの整え方次第で、たけしに見えなくもないんだw」
「たけしさんの動きや表情にちゃんと寄せてる感ある。年とったらちゃんとああなる感じが凄い」
「ナレーションかっさらうのも、これは将来たけしさんになるの納得する顔の動かし方も素晴らしい」
といった声もチラホラ。これから、森山さんがいかに「たけし化」していくかを追うのも、作品を楽しむポイントになりそうだ。