カッコいいイメージが先行したが、関西弁でいうところの「ベタ」な人
平尾さんといえば、そのプレーもさることながら、端正なルックスで、世の女性のハートをわしづかみにしたことも事実である。
しかし、薮木氏は
「グラウンドを離れると、何ていうか...関西弁で言うところの『ベタ』(平凡で、ありがち)な人でしたね。皆さん、スマートでカッコいいイメージがあると思うんですけど、シャイだし、初めての人とは話したがらなかった。何より、チヤホヤされるのが、嫌いな方でした」
と話す。
また、
「先輩なのに、まったく先輩面をしない人でしたね。あれだけのスターなのに、少しも偉そうにしなかったんですよ」
そんな「弟分」の薮木氏が、平尾さんとのあるエピソードを語ってくれた。
「当時、神戸の三宮に行きつけのバーがあってね。まあ、2人で食事した後には、よく行っていたんですけど、僕が東京に転勤になって。で、たまに(神戸へ)帰って、フラッと立ち寄ると、いつもの席に平尾さんがいらっしゃって。逆に、僕が1人で飲んでいると、偶然、お見えになったり。特に連絡しあって、待ち合わせていたわけじゃないんですけどね」
さすが「兄弟」。以心伝心である。
そんな中、「日本のラグビー」についてよく語り合ったという。