日本勢にも正念場
交通渋滞解消などで「自動車を持つ魅力」を取り戻せなければ、住宅ローンを抱える若者層はますます車を見限る形になってしまい、あと一歩まで迫っていた「新車販売年間3000万台」という大台は遠ざかってしまいかねない。
さて、中国の自動車市場の全体的な低迷の中で、日本車の売れ行きは悪くなく、わずかではあるが増加したメーカーもあった。「東風日産」は 市場全体の失速の影響を受け、11月には前年同月比10%減。一方で、「ホンダシビックCR-V」「XR-V」の販売台数は11月に増加した。もっとも、ホンダの全体的な減少をカバーするほどではなかったが。
注目されるのはトヨタだ。第一汽車集団との合弁「一汽トヨタ」の生産能力が懸念されるものの、今年は高級車アバロンの販売が始まり、好調な売れ行きが見込まれる。また広州汽車集団との合弁「広汽トヨタ」は生産能力の増強や8代目カムリの人気もあって、昨年の販売台数は6割以上の伸びを示した。さらに高級車レクサスの売れ行きも好調。「世界最大市場」の変調、失速にどう対応するかで日本の自動車各社の明暗は分かれる。日本勢も正念場を迎えつつある。
(在北京ジャーナリスト 陳言)