永丘昭典監督が語る、アニメ「アンパンマン」が平成の約30年で「変わった」ことと「変わらない」こと

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新キャラを生み出す重要性

――2018年劇場公開の最新第30作の興行収入は約6億4900万円で、過去最高(第2作「ばいきんまんの逆襲」、約6億6400万円)に迫る、根強い人気ぶりをみせました。30年間にも渡ってシリーズが愛され続けている一番大きな理由は何だとお考えですか。

永丘:それは、やなせ先生の世界でもあり、やなせ先生作詞の「アンパンマンのマーチ」の歌詞にもあるように、「生きる よろこび」を観る人たちが感じ取ってくれているからだと思います。

――2019年は5月から新元号になります。アンパンマン・シリーズの新時代への展望や目標をお聞かせください。

永丘:それは「変わらないこと」です。しかし、それはとても難しいことでもあります。新しいスタッフも入ってくるなか、関係者の間で世界観にズレやブレが出ないよう、細心の注意を払ってアンパンマン、そして、やなせ先生の世界観を今後も伝えたいと思います。
一方で、そのためには新キャラを生み出していくことも重要です。一見矛盾するようですが、「変わらない」ためには、少しの変化を続けていくことが大切なことは、老舗の菓子店や飲食店の「味」の例などで語られることもあるようです。これからも、スタッフや関係者の人たちと協力しながら、「生きる よろこび」を表現していきたいと思います。

(編集部注:これまでの映画30作については、「それいけ!アンパンマン」公式サイトで一覧を確認できる)


永丘昭典さんプロフィール
ながおか・あきのり 長崎県出身。1954年生まれ。74年にアニメ制作会社に入社し、その後独立。現在フリーのアニメ演出家、アニメ監督。アニメ「はじめ人間ギャートルズ」や「タッチ」などの演出を担当。劇場版では「Dr.SLUMP」(82年)や「タッチ3」(87年)、「アンネの日記」(95年)などで監督を務めた。アンパンマン・シリーズとの関わりは上記記事の通り。

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