永丘昭典監督が語る、アニメ「アンパンマン」が平成の約30年で「変わった」ことと「変わらない」こと

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大人も楽しめる作品作り

――それでは、「変わらない点」は何でしょうか。

永丘:それは、大人も含めていつ観ても安心して楽しめる作品を作る、という姿勢です。アンパンマンの世界観、やなせ先生の世界観が変わらないよう、強く意識しています。子供の頃に観ていた人が親になって子供と一緒に観ても「変わらないな」と思うような作品になっていると思います。逆に今の幼い子供が、30年前の作品を観ても喜んでもらえるでしょう。そのために、「流行りもの」は作品に入れないようにしています。品物や言葉の流行りものは、すぐに古くなりますからね。ポケベルもケータイ電話も登場しません。

――アンパンマンのアニメの歴史は「平成の30年間」ときれいに重なっていますが、作品に映し出された「平成像」や「時代の空気」はどのようなものでしょうか。

永丘:平成という元号による「くくり」は意識していません。それでも、この30年間では、環境問題が重要視されるようになったり、自然災害や事件が相次いだりし、その影響は受けています。被災した方々が心を痛めたりしないようにと、災害話は取り上げないようにし、台風を起こす「たいふうぼうや」や、火山を噴火させることができる「ドド」などは、登場させなくなりました。
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