「アベノミクス最大の成功」訪日客増 「20年・4000万人」に向け今年は?

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   2018年は、訪日外国人旅行者が初めて3000万人を突破した年となった。

   安倍晋三政権は訪日客を2020年に4000万人、2030年に6000万人とする目標を掲げている。2019年はこの目標に向けての「ステップ」の年となるが、どこまで伸ばせるか。

  • 安倍晋三首相(2017年9月撮影)
    安倍晋三首相(2017年9月撮影)
  • 安倍晋三首相(2017年9月撮影)

「逆境」の中での増加に政権自信

   国土交通省が12月18日、「初の3000万人超え」を発表したことを受けて、安倍政権の鼻息は荒い。石井啓一国交相は同日の閣議後会見で「2019年にはラグビーワールドカップ、2020年にはオリンピック・パラリンピックなどが予定されており、わが国の魅力が海外に発信される絶好のチャンスだ。こうした機会も最大限活用しつつ、新たな訪日需要を掘り起こしたい」と力を込めた。

   菅義偉官房長官も同日の会見で「政権発足前は836万人だった。今年は豪雨、地震、さらに台風、こうした自然災害があったにもかかわらず、史上初めて年間3000万人を突破したのは感慨深いものがある」とコメント。「これはまさに安倍政権が発足した中でビザ緩和、免税品の拡充、あるいは迎賓館をはじめとする公共施設の解放などを戦略的に行ってきた結果だ。2020年の4000万人の目標は射程圏に入ったと思っている」と、自画自賛してみせた。

   訪日客は安倍政権が中国を中心にビザ発給の条件を緩和したことなどから2013年に1000万人、2016年に2000万人を突破し、2017年は2869万人。2018年は3000万人の大台が目標だった。

JTB予想では「3550万人」

   2018年は全国的なホテルや旅館不足に対応するため、一般住宅を宿泊施設に活用する「民泊」を6月に新法で解禁した。9月には台風や北海道地震の影響で訪日旅行のキャンセルが相次ぎ、2013年1月以来5年8カ月ぶりに訪日客が前年同月比でマイナスになったが、10月はプラスに転じるなど、結果的に自然災害の影響は軽微だった。年末までに3100万人になると見られている。

   安倍政権が訪日客の誘致を進めるのは、経済効果が大きいからだ。観光庁によると、訪日客の滞在中の旅行消費額が2017年は4兆4162億円となり、日本の貿易額では半導体等電子部品の輸出(4兆円)を上回る規模に成長した。訪日客1人当たり15万円使った計算だ。2020年に目標の4000万人を達成すると消費額は単純計算で8兆円になり、自動車(2017年11.8兆円)や化学製品(同8.2兆円)の輸出に迫る主要産業となるため、「アベノミクスの中で最も実績が上がっている」との声さえある。

   ここ数年、訪日客は毎年400万人程度増えており、JTBは2019年に3550万人に達すると予想している。果たして2020年4000万人の目標を達成し、期待通りの経済効果を得られるのか。2019年以降の行方が注目される。

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