JTB予想では「3550万人」
2018年は全国的なホテルや旅館不足に対応するため、一般住宅を宿泊施設に活用する「民泊」を6月に新法で解禁した。9月には台風や北海道地震の影響で訪日旅行のキャンセルが相次ぎ、2013年1月以来5年8カ月ぶりに訪日客が前年同月比でマイナスになったが、10月はプラスに転じるなど、結果的に自然災害の影響は軽微だった。年末までに3100万人になると見られている。
安倍政権が訪日客の誘致を進めるのは、経済効果が大きいからだ。観光庁によると、訪日客の滞在中の旅行消費額が2017年は4兆4162億円となり、日本の貿易額では半導体等電子部品の輸出(4兆円)を上回る規模に成長した。訪日客1人当たり15万円使った計算だ。2020年に目標の4000万人を達成すると消費額は単純計算で8兆円になり、自動車(2017年11.8兆円)や化学製品(同8.2兆円)の輸出に迫る主要産業となるため、「アベノミクスの中で最も実績が上がっている」との声さえある。
ここ数年、訪日客は毎年400万人程度増えており、JTBは2019年に3550万人に達すると予想している。果たして2020年4000万人の目標を達成し、期待通りの経済効果を得られるのか。2019年以降の行方が注目される。