あのころは、みんなニコニコだった 25歳になった「山下威豆三(伊豆見)」が語る、「配信者」たちの平成ネット動画史

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これからのネット社会を生きるには

   インターネットの動画サイトを通じて絶大な支持を集めた山下さん。その経験を通じて得たことを話してもらった。

――長いことインターネット文化に接していると思いますが、現状のネットに一言いただければ。

山下:ネットだから何でもやればウケるって時代は終わったよ。何か戦略を使わないと生き残れない。変に出てもシャム(syamu_game)さんのようになるだけ。あの人も人気はあるけど扱われ方がね。シャムさんみたいに出たいかといわれても答えはNOだよ。ちゃんとビジネスチックに考えないとネットでもやっていけない。それは良いことでもあり、悪いことでもある。ネット文化がポピュラーになった宿命だから仕方ないね。よりよいネットライフを送って、炎上は...... J-CASTだから良い炎上をしましょうってことで。

――将来なりたい職業の上位にユーチューバーや動画投稿者が入りますが、それを目指す子どもたちに何かあれば。

山下:はっきり言って世の中で一番難しい職業だと思うよ。楽な職では決してない。だってマニュアルがないから。自分で全部考えないといけない。戦略的に考えないとやっていけないよ。良い炎上をさせて、それをいかに持続させるかみたいにね。だから、すごく大変。これからは俺みたいに暴れて人気が出ても絶対に儲からないから。何でもいいからウケれば良いの考えじゃ絶対ダメ。俺はその辺が下手だから今こうなっちゃってるんだけど。
自身の作品を手に取る山下さん
自身の作品を手に取る山下さん

――今、山下さん自身はどういった活動をされていますか?

山下:今はソロでミュージシャンをやっています。自分もビジネスに強いほうではないけど、視聴者側のニーズには答えてるつもり。そんなこともあって、得体のしれない人物のCD買うには勇気がいるから、街中でCD無料配布とかユーチューブに楽曲のフル尺動画を上げたりしてるよ。その代わり興味をもってもらってライブに来てほしい。とはいっても、配信時代のノウハウは活かされてないけどね。何でもウケるって時代の配信だったから。

山下威豆三さん プロフィール
やました・いずみ 1993年東京都豊島区生まれ。2007年から動画制作や配信を始め、10代から活動する配信者の先駆的存在として人気を博した。12年に配信活動から引退。13年からはミュージシャンしての活動を始め、現在は都内を中心にライブ活動を行う。


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