マラソン大迫、けがの大東大選手の感動中継に苦言 ネットでも批判の声

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   第95回箱根駅伝は2019年1月2日8時に号砲となった。スタート直後に大東大の新井康平選手(4年)が転倒、終始足を引きずりながら2区へタスキを繋いだ様子が実況中継された。

   実況がいわゆる「感動中継」の色を帯びるなか、マラソン日本記録保持者の大迫傑選手がツイッターで苦言を呈した。

  • 第95回箱根駅伝公式サイトより
    第95回箱根駅伝公式サイトより
  • 第95回箱根駅伝公式サイトより

「なんか喜んでるみたいだね!」

   新井選手は他の選手と接触し、転倒。足を引きずるようにして走り続ける姿がレース中なんども中継された。

   大迫選手は自身のツイッターで、

「さっきの1区、捻挫した選手は頑張った。捻挫は注意しないと別な故障で繰り返したりで時間が掛かるからしっかり治して欲しい」

と、労いの声を上げた一方、中継を見ていた娘さんからこんな一言があったと紹介した。

「ただ、娘が言った一言『テレビで喋ってる人(実況)なんか喜んでるみたいだね!』これが全てを物語ってるよね。心配する場面ではあるけど、感動する場面ではない」

と、苦言を呈した。

   日テレの中継では、新井選手が少しふらついた走りを見せると、

「蛇行するシーンがありました。また、持ち直して懸命に前にむかっています」
「なんとかスタートの1区、任されたこのタスキを2 区のエースに繋げていこうと、まさに懸命の、意地の走りです」

などと実況。新井選手が終盤に差し掛かると、

「21 キロをこの状態で走ってきました。最後の箱根駅伝です。節目の大学50回目の出場。もう走れる状態ではないかもしれない。ただ、新井が前を目指してきたその理由、首からかけた、肩にかけたこのタスキ、その思いだけです。頑張れ新井、タスキを繋いでくれ」

と必死に叫ぶような実況となった。

   新井選手は結局、先頭から8分40秒遅れの最下位でタスキを渡した。中継点に新井選手が たどりつくと、

「泣き声がこの鶴見中継所にも響き渡ります」

とのレポートがされ、肩を貸してもらい運ばれていく様子が伝えられた。しかし、映像で新井選手の表情を改めて確認すると、はっきり泣いている表情は確認できず、走り終わった直後で呼吸を整えながら、痛みがある箇所をスタッフにきちんと説明していた。

   大迫選手は「選手&今後の選手を守っていきたい立場から一言」として感動的実況への疑問を露わにした。

「感動的実況を良しとしてしまうと回り回って選手の判断を鈍らせてしまう。自分ならと考えたけど、どんな酷い怪我であっても単純にやめにくいよね。選手がこの大会で引退なら良いけど先がある選手の場合も同様の事が起きたらと思うと怖い」

ツイッターでは、こうした中継に「懸命に襷を繋ごうと頑張ってる姿に涙ぐんじゃいました」と感動したとの声が上がる一方、「無理矢理感動を押し付けよう・生み出そうって中継にはうんざり」と疑問視する声も上がっていた。

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