大槻義彦教授が振り返る「オカルトの平成史」 「最近は敵がいなくて寂しい」

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ネットのオカルトはテレビに還ってくるか

   オカルトにとって大きな転換点となった1995年、そして、最後の「ノストラ特集」が行われた1999年12月31日を最後にテレビからオカルト番組はめっきりと減った。

   その後も散発的にテレビでオカルト番組(※2)が放送されることはあるが、いま現在、オカルトの温床と言えるのはノストラダムス騒動の翌年である2000年に「IT革命」の呼び声とともに普及したインターネットであり、オカルトはその中で細々と生き残っているという状況だ。今後、このオカルトが再びテレビに浸み出してくることはあるのだろうか。大槻さんはこのように語った。

「たぶん、もうないでしょう。というのは、やはり、地下鉄サリン事件が大きい。あの事件を見ていた世代が、今やテレビ局のベテランスタッフをやっていますからね。それと、大学の理学部や工学部をはじめとする教育機関も、あの事件以降は通常の理科教育に加えて科学哲学も教えるようになりました。もちろん、私もそういう講座を担当しました。世の中全体でテレビからオカルトを排除する体制が整ったと思います」

   また、昨今ネット上では「フェイクニュース」が話題だが、大槻さんはオカルトこそフェイクニュースだと強調した。

「オカルトは最大のフェイクです。疑似科学、つまり『フェイク科学』です。『オカルト』という表記よりも意味を掴みやすいと思います。また、意味を掴みやすい方が警戒しやすいと思います」

   ※2大槻さんは2008年(平成20年)にJ-CASTニュース編集部のインタビューに答え、当時テレビへの出演機会を増やしていたスピリチュアリストの江原啓之氏を批判。その時の記事はこちら

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