大槻義彦教授が振り返る「オカルトの平成史」 「最近は敵がいなくて寂しい」

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故・宜保愛子氏との死闘

   同じく、大槻教授に「滅ぼされた」といえば、「霊能力者」としてテレビにもたびたび出演した故・宜保愛子氏(2003年・平成15年没)だろう。ユリ・ゲラー氏についての話が終わると、大槻さんは前述の番組が放送された2年後の1994年(平成6年)に放送された「驚異の霊能力者 宜保愛子 徹底解明! 超能力か? 霊視パワーか?」(TBS系)について語り始めた。

「オーストラリアのアボリジニのご老人が絵のイメージのテレパシーを発し、6km離れた宜保さんがそれを霊視という形で『受信』して絵を描く、という実験を行いました。私は週刊誌から、『番組の録画を見てトリックを見破ってくれ』と依頼され、解明に乗り出しました。その実験とは、ご老人が以前自ら描いたという自作の絵(鳥を描いた絵)を自ら眺め、その念を送るという実験でしたが、結果、確かに宜保さんはその鳥の絵を描きました。しかし、これもトリックを見破ることが出来たんです」

「実は、そのご老人はアボリジニの民芸品のデザインを手掛けていて、念を送った際の『鳥の絵』というのは、そのご老人がデザインした絵だったんです。で、どれぐらい有名かというと、その絵をプリントした土産物が、オーストラリアの空港で販売されていたほど。現地の人の話を聞いてみると、そのご老人はその『鳥の絵』しか描かないとのことでした」

   大槻さんはその事実をのちに出演したテレビ番組で土産物を示しつつ出演し、「トリック」を暴露(この時、同じ番組には宜保氏は出演せず)。「これがインチキではないと言うのなら、対決するから出てこい」と、挑戦状をたたき付けた。その後、大槻さんはTBSの番組で宜保さんと対決することが決まったが、その際に「異変」があったという。

「番組収録の前日になって、TBSの番組スタッフから『宜保さんと連絡が取れなくなった』と電話がありました。加えて、6人いるマネージャーとも連絡が取れなくなったと。彼女たちは逃亡したんです。その後、宜保さんがテレビに出演する機会は大幅に減ったため、私がとどめを刺した形になったわけですが、宜保さんにとどめが刺さったのにはもう1つの要因がありました。オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こしたからです」
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