年が明けた2019年1月1日早朝、航空各社は「初日の出フライト」を運航した。その多くが、富士山や初日の出を眺めた後、そのまま出発した空港に戻ってくるが、例外なのがソラシドエア(宮崎市)のフライトだ。
機内で富士山越しの初日の出を拝んだ後は、羽田空港に戻るのではなく本拠地の宮崎空港に着陸。パワースポットとしても知られる青島神社(宮崎市)を参拝し、一度に初日の出と初詣を楽しんだ。
人気の鑑賞ポイントを2年連続で引き当てる
羽田空港を出発するソラシドエアの初日の出フライトは、就航15周年を記念して18年に初めて運航。好評だったため、19年も運航されることになった。
往路のフライト「SNA2019」便(ボーイング737-800型機)は早朝6時過ぎに乗員・乗客168人を乗せて羽田空港を離陸。富士山の西側にある南アルプス市の上空19000フィート(約5800メートル)で旋回しながら初日の出を待った。この飛行ポイントは「ALPUS(アルプス)」と呼ばれ、初日の出フライトで飛行を希望する航空会社は多い。各社は抽選で飛ぶ場所を決めるが、ソラシドエアはこの2年連続でポイントを引き当てた。このことを案内役の上條里和子(りなこ)副操縦士が紹介すると、客席からは大きな拍手が起こった。
6時45分頃、雲海に浮かび上がった富士山の向こうから太陽が姿を見せ、機内に赤い光が差し込むと、乗客から歓声があがった。機内では、和服姿の客室乗務員(CA)が地鶏焼きや飫肥天といった宮崎県の食材を盛り込んだおせち弁当を振る舞い、宮崎旅行ムードを盛り上げた。
青島神社には社殿に上がって参拝
宮崎空港到着後は、4台の観光バスに分乗して、15分ほどかけて青島神社に移動。青島神社は宮崎県では代表的な観光スポットのひとつとして知られ、昭和30年代には「ハネムーンのメッカ」としても知られた。
通常は社殿の前にあるさい銭箱にさい銭を入れて参拝するが、初日の出フライトの乗客は社殿に上がって参拝。その後、おみくじを引いたり絵馬を奉納したりして、新年気分を味わった。
ソラシドエアの高橋宏輔社長は参拝後、「何人かのお客様からは、『来年も乗ります』と言われました」と話し、早くも3回目の運航を視野に入れている様子だった。
この日、初日の出フライトはソラシドエア以外にも日本航空(JAL)や全日空(ANA)が羽田や成田空港、関空発着便を運航した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)