間が悪すぎたソフバン上場 「公開価格超え」はいつの日のことか...

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ドコモ、KDDIに比べ高すぎる「PER」

   12月6日、4時間半にわたり全国でSBの携帯電話がつながらなくなるという大規模な通信障害が起きた。スウェーデン通信機器大手、エリクソン社製の機器が原因だったが、通信が安定させるために想定以上の設備投資がかかるのではないかとの懸念が生じた。1万~2万件の解約も出たという。

   中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)との関係が、3社の中で最も強いとされることも痛手だ。ファーウェイの孟晩舟最高財務責任者(CFO)が逮捕され、米中関係が悪化する中、日本政府は安全保障上の観点から、ファーウェイや中興通訊(ZTE)の製品を調達から外す方針を固めた。SBもそれに沿って対応する意向だ。次世代通信規格「5G」の開始を前に、設備投資計画が大きく狂う可能性がある。

   もう一つ挙げるとすれば、公開価格の設定が高すぎたことだ。株価の割高・割安を測る予想株価収益率(PER、株価が1株当たり利益の何倍か)は約17倍で、ドコモ(約13倍)、KDDI(約10倍)を上回っていた。ドコモやKDDIよりも、明らかに高成長が見込めるならいいが、そうでなければ割高ということになる。

   政府からの「値下げ圧力」、楽天の新規参入など、事業環境は厳しくなるばかり。いくら配当利回りが良くても、「公開価格割れ」は必然だったということか。通信業界の事業環境は厳しいだけに、公開価格を超えるのには時間がかかるかもしれない。

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