日本側の「意図」読もうとする韓国
それに加えて、韓国側からの言及が目立つものがある。駆逐艦へ通信を試みた際の、「THIS IS JAPAN NAVY」という海自側の名乗りだ。前述の中央日報が、
「日本が(中略)『This is Japan Navy(こちらは日本海軍だ)』として自分たちを『海軍』と称したのも安倍政権の指向が投影された呼び方という分析も出ている」
との見方を示したのをはじめ、東亜日報系のケーブルテレビ局「チャンネルA」は、国防省の関係者談として、日本が自ら「NAVY」を名乗るのが公開されたのは「初めて」であり、「背景と意図を分析している」。さらに続けて、「軍隊を持つことができる『普通の国』を夢見る、日本の野心が明らかになったとの分析も出ている」、とした。
通信社「ニュース1」も、このような表現を使うことには「意図が隠されている」との軍関係者の声を掲載する。
海上自衛隊の正式な英語名は「Japan Maritime Self-Defense Force (JMSDF)」。一方、NAVYは「海軍」なので、直訳すれば「日本海軍」となる。韓国側の反応はこうした点を指しているものとみられる。
なお、過去の朝日新聞記事(2017年10月19日付朝刊)にある海自自衛官の談話によれば、以前から、「(多国籍軍での)任務中には無線で『ジャパン・ネイビー(日本海軍)』と自称する」という。