視聴者が「当事者意識」を持ったのが原因か
J-CASTニュースは18年12月27日、経営コンサルタントで心理学博士の鈴木丈織氏に話を聞いてみた。
「通常、視聴者はテレビ番組との距離感をきちんと意識した上でテレビを見ています。しかし、今回は『普段は収録放送の人気番組が生放送されていて、しかも、イベントへの参加を呼び掛けている』という状況が発生したため、『行かなければならない』という当事者意識が視聴者の心に発生したと思われます。また、放送日の26日はクリスマスの翌日ですから、クリスマスを無為に過ごしてしまった人が当事者意識を高揚させ、充実感を得るべく行ってしまった可能性は否定できません」
また、クロちゃんが「炎上キャラ」であることも、視聴者を殺到させた原因だという。
「『クズキャラ』である以上、視聴者が日頃抱いている不満をぶつける対象としてはこの上なく適任と言えるため、クロちゃんを見に行くことが『ストレス解消』になった可能性は高いです。しかも、クロちゃんを許すか否かの投票結果が95:5で『許さない』という極端な結果ですから、安心して叩き目的で見に行くことが出来ます。『檻に閉じ込めて晒し者にする』という演出は『ガス抜き』の要素が十分にあります」
一方で、鈴木氏はクロちゃんの巧みさも指摘する。
「芸能人や公人を晒し者にするのは、正に、祭りの『生贄(いけにえ)』そのものです。今回、クロちゃんは自ら『生贄』となるべく視聴者を煽っていた感すらあります」
晒し者見たさに集まった視聴者だが、『生贄』となったクロちゃんに乗せられていた可能性もあるようだ。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)