高橋洋一の霞が関ウォッチ
経済効果に優れる「大阪都構想」 ダブル選浮上で再評価

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万博誘致の原動力は「人間関係」にあった

   大阪万博誘致の成功は大阪維新の大手柄である。もし、橋下徹大阪府知事と平松邦夫大阪市長との「府市あわせ(不幸せ)」コンビだったら、誘致できなかったはずだ。橋下氏は立候補すらできなったといっている。

   松井知事と吉村市長の人間関係で府市が一体になっているから、立候補が出来て、両者の協力関係がうまくいったので、誘致が成功した。

   筆者は、IR(総合リゾート)も大阪に誘致できると思っている。IR法の成立では、大阪維新の貢献は極めて大きいからだ。これにも、松井知事と吉村市長の人間関係がよかったのが決定的によかった。

   今の松井知事と吉村市長の間では考えなくてもいいかもしれないが、筆者は政治家の人間関係ほど当てにならないものはないと思っている。政治家の人間関係は基本として友情と打算であるので、状況如何では崩れやすい。この人間関係を制度化するのが、都構想である。都構想になれば、大阪府と大阪市が対立することはできなくなる。

   当面は万博とIRが上手くできるか、将来は万博とIRの誘致成功を他の分野にも広げられるのか、都構想ができるかどうかにかかっている。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「図解 統計学超入門」(あさ出版)など。


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