「セカンドしか...」がネックになるか
守備力に関してはメジャーでも通用するとの声が多数寄せられたが、元メジャー球団の職員は次のように指摘する。
「正直言って、菊池クラスの選手はメジャーではゴロゴロいる。守備だけでいえば日本でもトップクラスだが、メジャーの内野手は内野ならどこでも守れる選手が多い。菊池はセカンドしかアピールポイントがないので、少し弱い。チームによってはショートやサードのコンバートもあるので、それに対応出来ないと差別化は難しい」
これまで日本人の投手や外野手がメジャーで大きな実績を残した例は見られるが、内野手でいえば数は限られてくる。代表的な内野手として、メジャー通算7年の実績を誇る松井稼頭央氏(43)をはじめ、現ロッテ監督の井口資仁氏(44)、元レイズの岩村明憲氏(39)らが挙げられる。
メジャーに挑戦するにあたって不安視されるのが菊池の打撃力だ。今季は打率2割3分3厘、13本塁打、60打点に終わっている。2番打者としてチームへの貢献度は数字以上のものがあるが、メジャーの2番打者は近年、中長距離打者が務める傾向にあり、打撃力により比重が置かれる。6番以降の打線でも一発の長打力を秘めるパワーヒッターがひしめき、パワフルなバッティングが求められる。
6年連続でゴールデングラブ賞を受賞し、日本最高のセカンドとして称賛され続けてきた菊池だが、メジャー挑戦の表明によって外部から「現実」を突き付けられた形となってしまった。ただ、あくまでもメジャー志向の菊池は「野球をやっている以上、トップのレベルでやりたい」と、来オフのメジャー挑戦へ前向きな姿勢を見せている。