中国の通信機器メーカー最大手・華為技術(ファーウェイ)の副会長兼最高財務責任者(CFO)である孟晩舟氏が2018年12月6日、カナダで逮捕された後、米国などが、中国企業への圧力を強めたことに続き、日本も12月10日、安全保障上の懸念から、ファーウェイ製品などを政府調達から事実上排除する方針を決めた。ソフトバンクなどの通信各社も公に政府の決定を支持した。
中日関係のようやくの好転も束の間、関係はまた不安定になってきた。
「捨て去ったことの『報い』」
中国メディアは、ソフトバンクが12月6日に4時間半にわたる大規模な通信障害を起こしたこと、この大障害と中国メーカーとは何の関係もないことを、繰り返し伝えた。具体的な事例も示さないまま、日本政府が「中国製品の事実上排除」を決めたものの、障害の原因となったのは、スウェーデンのエリクソン製交換機の不具合だった......。中国のネットは「バカじゃなかろうか」という笑い声であふれている。
ソフトバンク創業者、孫正義氏は、中国経済界でよく知られ、好意的な評価が特に多かった人物だった。だからこそ、というべきか、日本政府の方針決定後、同社も、次世代通信「5G」基地局などに中国製品を使わない方針を明らかにしたことを、中国メディアはショッキングに伝えた。
12月19日、そのソフトバンク株が上場され、初日終値が発行価格を下回った一件にも、中国世論は大いに注目した。ネット上では、伸びない株価、通信障害、「中国の機器を使用しない」という同社の発表とを、牽強付会気味に結び付けて語る傾向が目立っている。「ファーウェイを捨て去ったことの必然的な報いをソフトバンクは受けている」。そんな論調である。