「自動車業界の巨人の努力は吹き飛ばされた」
この異例の動きは、海外メディアも相次いで報じている。CNNは、ゴーン容疑者が勾留請求却下で「小さな法的勝利」を得たため、クリスマス前に保釈される可能性があると伝えていたが、今回の再逮捕で2日間、裁判所が認めればさらに10日間に渡って身柄を拘束される、などと報じた。
BBCは、今回の再逮捕が「ゴーン容疑者が拘置所にとどまり、検察官がさらに取り調べできるようになったことを意味する」と指摘。大企業の幹部が拘置所で過ごすことに加えて、法的な「紆余曲折」があったことが「極めて異例」だとした。
AP通信は、検察が「新たな容疑を加えた」ことで「保釈への望みは打ち砕かれた」と報じた。日本では有罪率が99%以上あることを指摘しながら、背景を、
「業界の有名人の逮捕は国際的な関心を呼んだ。検察はゴーン容疑者と(同時に逮捕された前代表取締役の)ケリー容疑者をより長く勾留しようと、同じ容疑を2つの期間に区切る手法を用いたとして批判されていた。彼らはゴーン容疑者とケリー容疑者には国外逃亡の危険性があると主張している」
などと解説した。
ブルームバーグは、再逮捕は前日からの「大逆転」で、「自動車業界の巨人の努力は吹き飛ばされた」などと表現。検察側の狙いを
「より長く勾留することで、検察官はゴーン容疑者側の弁護活動開始を難しくすることができる」
と解説した上で、日本の検察は透明性の面などで批判を受けているとして、ゴーン容疑者は
「英国のテロ容疑者」に許されている期間(14日)よりも長く勾留されている、とする従来の解説を繰り返した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)