内海ショック広がる巨人投手陣 「若手のモチベ低下」リスクも

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   内海哲也投手(36)の西武移籍のショックの余波が止まらない。FA(フリーエージェント)に伴う人的補償で巨人から西武へ移籍した内海が2018年12月21日、西武の球団事務所で入団会見を行った。背番号は巨人時代の「26」から「27」に決まり新天地での活躍を誓ったが、精神的支柱を失った巨人投手陣のショックは大きく、今後の士気に影響を及ぼす可能性も出てきた。

   球界に激震が走った内海の流出劇。内海は自身が28人のプロテクトリストから漏れていたことを知らず、人的補償に伴う西武への移籍は巨人の球団関係者からのいきなりの通告だったという。「ルールなんで仕方ない」と達観する内海だが、投手陣のみならずナインに与えた精神的動揺は計り知れない。

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巨人の「慌てぶり」感じさせるコメント

   投手陣のリーダー的存在で、6度のリーグ優勝、2度の日本一に貢献し、最多勝(2回)、最多奪三振(1回)のタイトルを獲得するなど若手投手から全幅の信頼を寄せられていた。他球団から移籍してきた投手への気配りも怠らず、気兼ねなく練習が出来る環境を整え、生え抜き選手との壁を作らぬように食事会などを催していた。

   投手陣のみならず捕手陣からの信頼も厚い。西武移籍に際しては、阿部慎之助捕手(39)をはじめとし、小林誠司捕手(29)、大城卓三捕手(25)らが続々とコメントを発表し、一様に「さびしい」と口をそろえた。関係各所に連絡したという内海は「やっぱりみんな寂しいと言ってくれた」と話し、巨人に残った後輩らに「頑張れ」とエールを送ったという。

   今回の内海の移籍に関して球界関係者は「巨人は内海をプロテクトリストから外した時点で西武に取られることをある程度は想定していたはず。来季、菊池が抜けることを考えれば、西武は当然、左の即戦力がほしいところ。ただ、これだけの騒動になるとは想定していなかったのでしょう。球団のトップが移籍する選手にコメントを出すのは異例で、巨人の慌てぶりが見て取れますね」と話した。

   巨人は今オフ、FAでの補強に加え、次々と補強を重ねてきた。投手陣に目を向ければ、マリナーズを自由契約になった岩隈久志投手(37)、巨人から自由契約となり再契約をした上原浩治投手(43)らベテランが加入。岩隈と上原はともに日米のリーグで実績を残しており、若手投手の生きた手本になることが補強の決め手になったと見られるが、36歳の内海をプロテクトから外したことについて、ネット上ではファンから疑問の声が多数寄せられている。

内海見送り...広島の狙いは?

   28人のプロテクトリストから内海が漏れていたことを考慮すると、巨人は若手を中心としたリストを作成した可能性が高い。内海はチームにとって精神的支柱であったが、昨季は2勝7敗、今季は復活の兆しは見られたものの5勝5敗に終わっている。球団はベテランの復活の可能性よりも、若手の将来的な可能性を選択したとみられる。

   巨人投手陣の絶対的な存在が抜けたことは、ナインにどのような影響を及ぼすのだろうか。前出の関係者は次のように指摘する。

「巨人の投手陣の結束は固い。内海が抜けたことで若手投手は相当なショックを受けている。これが球団への不信感につながる恐れもあります。一番心配されるのが若手のモチベーション低下ですね」

   今回、巨人は西武と広島に対して人的補償をする可能性があった。FAのルールでは、西武と広島の獲得希望選手が重複した場合、同一リーグが優先されるため、広島に選択権があった。だが、広島は事前に西武から内海を指名する旨を聞いた上で、これを了承し、今回の移籍が成立した。

   広島は人的補償での獲得選手について慎重な姿勢を崩さず、年越しを辞さない構えを見せている。チーム事情から投手の獲得に動く可能性が高く、内海を見送った経緯から若手投手の獲得も十分に考えられる。今オフ、FAで炭谷銀仁朗捕手(31)、丸佳浩外野手(29)を獲得し、より一層の厚みを増した原巨人だが、その代償は大きなものとなりそうだ。

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