「環境の許す限り、アイスホッケーを守っていきたい」 ライバル日本製紙が廃部、「王子イーグルス」オーナーの思いは

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対照的な業績の王子HD

   アイスホッケー界では、古河電工、雪印、西武などが次々撤退しており、04年まで存続した日本リーグの時代から活動するのは王子イーグルスのみ。1926年に社員による「同好会」として誕生してから、90年以上の歴史を持つ。

   外部環境が厳しい製紙業界。母体の王子HDも収益安定の面で不安視されるが、足元の業績は日本製紙と対照的だ。

   2019年3月期中間決算では、売上が7618億円(同6.1%増)、純利益が267億円(前期比62%増)と増収増益。王子HDは、ネット通販などによる段ボールの需要増拡大を取り込み、2019年3月期の段ボールなど「生活産業資材」の売上は6900億円を見込む。

   同社では、2011年にマレーシアの企業から段ボール加工事業を買収して以降、積極的に段ボール関連の事業に投資している。好調が続く東南アジアや日本では、段ボールの新工場建設も予定している。一方、新聞用紙や印刷用紙など「印刷情報メディア」事業は生産体制の見直しによるコストダウンを進めている。

   王子HD取締役で王子イーグルスの武田芳明オーナーは、取材に「王子イーグルスを廃部する予定はないです。環境の許す限り、アイスホッケーを守っていきたい」と話す。

   一方で、「私どもは民間企業なので、やりたいという思いだけでずっと続けられるわけではない」と苦悩も明かす。チーム運営費の半分以上は王子HDが負担し、残りは入場料やスポンサー費を充てているという。

「アイスホッケーの人気が落ちているのは間違いないですが、観戦すると大変面白いスポーツです。最近、試合のネット配信も始めたので、ぜひ一度観ていただければと思います」(武田オーナー)

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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