練馬区立図書館めぐるストライキ「延期」 労組の報告集会で語られたコト

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   東京都練馬区立図書館の運営をめぐる対立からストライキ実施の可能性も出ていた問題は、2018年12月18日の最終交渉で「延期(当面回避)」されることが決まった。非常勤職員で構成する練馬区立図書館専門員労働組合は翌19日朝、練馬図書館前で報告集会を開催した。

   労組側は18年7月から、練馬区が提案した石神井図書館と練馬図書館における指定管理者制度(民間委託)の導入に反発してきた。区は57人の図書館専門員を半減させ、学校司書などへ配属するとの考えを示していた。労組は10月に要求書を提出、12月18日を回答期限とし、回答次第では12月19日・26日の8時30分から10時30分まで、ストライキを行うと告知していた。

  • 報告集会の様子(2018年12月撮影)
    報告集会の様子(2018年12月撮影)
  • 報告集会の様子(2018年12月撮影)

第1部と2部に分けて実施

   同労組は、区側の提案に対し、区の常勤職員と非常勤の図書館専門員が図書館業務を担うことは「区民の声やニーズをサービスに反映させていくために必要不可欠」と主張し、対立していた。

   報告集会は第1部が12月19日朝7時45分、第2部が8時30分から行われた。第1部の報告には200人ほどが集まったという。J-CASTニュース記者が第2部に訪れたところ、約30人が参加していた。

   第2部は開館時間が近いためマイクを使わず、第1部よりも小規模な報告だった。登壇した労組幹部によると、18日夜に区と交渉した結果、(1)図書館専門員を解雇する考えはない、(2)専門員には光が丘図書館のカウンター業務などを行わせる、(3)指定管理者制度拡充は区の方針で撤回はできない、といった回答が得られたと話した。

   区の回答を受け、労組は「専門員が区立図書館で働く場所が確保される」「指定管理者制度が拡充された際にも、交渉次第では区立図書館のサービス水準の維持が一定程度可能になる」と判断し、ストライキの延期を決めたと説明した。

   報告集会に参加していた専門員の女性は、ストライキを回避したことに対して「ホッとしています」としつつも、

「専門員全員が公共図書館で働くことを目指しています。昨日の段階では『全員』との明言はなかったので交渉を続けます」

と話した。集会の最後は「団結頑張ろう」の掛け声で締められ、専門員らは朝9時の開館に備えて急ぎ足で片づけを始めた。

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