PayPayやLINE Payが20%還元なら、こっちは「半額」だ――。そう言わんばかりのキャンペーンが、スマホ決済「Origami Pay(オリガミペイ)」で始まった。
その第1弾は、吉野家でのクーポン。2018年12月17日~31日の期間、通常380円の牛丼並盛が半額で食べられる。クリスマスイブに「大盛りねぎだくギョク」を頼みたくなる古参ネットユーザーには、ちょっぴり嬉しいサービスかもしれない。
PayPayよりキャンペーン露出は少ない
今回のキャンペーン、厳密には「半額」ではなく、「190円引き」だ。税込300円以上の支払いが対象なので、たとえば豚丼並盛(通常350円)だと50%引きよりも安くなる。割引は「期間中何度でも」適用されるため、PayPayのように上限額によって早期終了することはない。
初日の12月17日午後、筆者は都内のとある吉野家で、牛丼並盛を注文した。特別メニューではないため、いつも通りの味と量だ。違うのは会計時に「Origami Payで」と言って、バーコード画面を提示することのみ。紙のレシート上では380円だったが、スマホには「190円」と表示された。
とはいえ、店内を見回しても、キャンペーンの告知は見当たらない。ツイッターを見ると、「190円OFF」のステッカーがある店もあるようだが、PayPayの時にビックカメラやファミリーマートの店頭で、大々的に宣伝していたのとは対照的だ。18日には別の店舗も訪れたが、こちらはOrigamiのロゴマークすらも見当たらなかった。
吉野家では長らく、電子マネーはWAON(09年導入)のみだったが、この8月から交通系電子マネーにも対応。Origamiは12月3日に導入されたばかりだ。同日には、独自のプリペイドカード「吉野家プリカ」も誕生していて、そちらのポップは卓上に置かれていた。
クーポンだけならライバルは多い
Origamiは、水原希子さんがオレンジに包まれるテレビCMを放送しているが、大規模なキャンペーンを行ったPayPayや、アプリの普及率がケタ違いのLINE Payと比較すると、まだ知名度の面では欠ける印象にある。そこに投入した「オリガミで、半額。」キャンペーンは、吉野家を皮切りに、19年1月下旬には食料品チェーンのDEAN&DELUCA(ディーンアンドデルーカ)、2月にはケンタッキー・フライド・チキンが対象になる予定だ。
Origamiはキャンペーン終了後も2%オフ。PayPayの0.5%還元(通常時)より、お得さは増している。また、キャッシュバックではなく割引なので、その場で恩恵を得られる。先日のPayPayキャンペーンは、1月10日前後にボーナスが付与される予定だ。
ただ、「あえてアプリを入れよう」とユーザーに思わせるには、まだハードルが高い。割引だけなら、スマホ決済以外にもライバルは多いからだ。たとえばスマートニュースは、本来のニュース機能に加えて、18年3月に「クーポンチャンネル」をスタート。お笑いコンビ「千鳥」を起用したテレビCMで知名度も高めている。
スマニューや、そのライバルであるグノシーにも、吉野家の割引クーポンはある。いずれも「牛すき鍋膳」が50円引きなどと、Origamiより割引額は少ないながら、「普段使いのニュースアプリで、クーポンも利用できる」ことの利便性はあなどれない。今回のキャンペーンでOrigamiの知名度が高まるかは、いかに「半額」のインパクトをアピールできるかにありそうだ。
(J-CASTニュース編集部 城戸譲)