高校生時代から、アルバイトを掛け持ちしてコツコツと貯めた50万円を元手に、20歳から株式投資を始め、研究に研究を重ね、投資の「極意」をつかんだ。
その結果、現在手元には4800万円を超える資産が。日々サラリーマンをしながら、わずか7年で、資産をおよそ100倍近く増やした。決して慢心しない。ストイックにマーケットと向き合い、投資を研究する。そんな若手有望トレーダー「あやたか」さんに、投資の流儀を学んだ。
目標は「20代で億り人」! あやたかさんは3年後を見据える
本で得た知識をもとに、独学で進めた株式投資
あやたかさんは、「なんでもまずは自分でやってみる」人だ。16歳で実家を飛び出し、高校生活をアルバイトでなんとかやり繰り。18歳になってからは、学校の授業料と生活費を稼ぐためにアルバイトに精を出す傍ら、ガラケーのオープンアプリをまとめたホームページをつくったり、週末にバイクのせどり(転売)をしながら生計を立てた。それこそ寝る時間を惜しんで働いた。そうやって貯めたのが、投資の元手の50万円だ。
「当時、お金を稼ぐには、起業か投資の2択だと思ったんです。起業は現実的ではなかったので、まずは投資を選びました。ニュースでアベノミクスが話題になっていたため、自分でいろいろな情報を調べた結果、まずは株式投資をすることに。最初に買ったのは不動産関連の中・小型株でした」。そう言って、当時を振り返るあやたかさん。
「現物取引で、100株ずつ。中・小型株を買っていました。だけど結局、どれを買ってもプラスになる時代だったんで......」と「ツイていた」というが、運だけで50万円の元手が5000万円近くに増えるはずがないことは、少しでも投資をかじった人なら、わかるだろう。
1年ほどした2013年に信用取引を始めて、資産は300万円に増えていたが、初めて下落相場を経験した。バーナンキ・ショックだ。資産があっという間に50万円減ったなか、あやたかさんは「相場が下落することを学んで、投資方法を改めないといけないなと思った」と、冷静に考えたそうだ。
株式投資を始めてすぐは、株をやっている人がまわりに誰一人いなかったこともあり、知識はすべて本から得たという。ひたすら本を読んで、ひとりで学んだ。「それができたのは、実際に利益が出てたからですかね(笑)。利益が出てなかったら、証券会社のセミナーにも行っていたかもしれないです。でも、行く時間があったら銘柄研究やスクリーニングするほうが自分はおもしろかったですね」
大きな損失と、「恐怖指数」との出会い
元手の50万円から、現在の5000万円近くの資産を見ると、順調に資産を増やしていたように見えるあやたかさんだが、2014年にも大きな損失を出した。高いレバレッジをかけてFXに挑戦し、痛い目に遭ったのだ。「レバレッジがかかるものは、要注意ですね。当時高金利通貨(豪ドル)を買っていたんですけど、レバレッジをかけすぎてしまって...... 50万円近く損失を出しました。そのときに、リスクコントロールの大切さを痛感しました」と明かし、「資金管理」の重要性を肝に銘じた。
相場は毎晩チェック、スクリーニングは週末に。
あやたかさんが「VIX指数(恐怖指数)」に出会ったのは2016年。英国の欧州連合(EU)からの離脱が世間で大きな話題となっていた時期だ。
「ちょうど、6月の英国での国民投票前くらいに雑誌でETF(上場投資信託)特集をやってたんですよ。偶然、その特集の中に一つだけ知らない銘柄があった。なんだ、このETF(上場投資信託)は、と思ったのが『1552(ETF VIX短期先物指数)』っていう銘柄なんですけどね。チャートを見ると、ひたすら下がっているんですよ。もうずっと右肩下がり。これ単純に売って放置すれば儲かるんじゃないかと考えました。自分はEU離脱はないだろうと予測しており、VIX指数は下がってるし、このまま売ればいいかなって、空売りを仕掛けました。結果は予測がはずれて離脱。VIX指数は上昇して、ストップ高になったんですね。さすがに少し焦ってどうしようと考えたんです(笑)。ところが翌日、急に下がったんですよ。これはどういうことかなと考えたところ、イベント前はどっちに転ぶかわからないからVIX指数は上がるけど、結果が出て、ホッとなったところでは下がるんだと。それで、この銘柄めっちゃ使えるなと思って、VIX指数を研究しはじめたんです」
実際に2016年11月の米国大統領選でも、17年8月の北朝鮮のミサイル問題でも、VIX指数は上昇。「売って成功しました」と、自分のモノにした。
いま、あやたかさんが熱心に取引しているのが「CFD(差金取引)」でVIX指数に投資することと、株式投資だ。CFDを始めてから資産が一気に増加したという。
「どちらも利益は出せていますし、投資手法も違います。何かの拍子に突然、投資手法が通用しなくなることもあるじゃないですか。そういうときのために、いろんな投資手法を、いつでも研究しています。その研究を続けるためにもCFDは続けていくつもりです。取引は簡単にGMOクリック証券のスマートフォンアプリからできますしね。ほぼ24時間、いつでも手軽にVIX指数取引ができます」
本の知識だけでは勝てない! 一番大事なこととは?
あやたかさんは、「投資は本で得た知識だけではダメ」という。
あやたかさんは、自身の経験を大事にする。「ノウハウは本から得たんですけど、本を読んでもうまくいかないことがあるわけです。どうしてかというと、その方法は当初は通用していたけど、みんながやり始めたら、儲かるポイントがずれてくるんです」と説明する。
「ポイントがずれてくる」とは、どういうことだろう――。たとえば、ノーベル賞関連の銘柄は、ノーベル賞の受賞が決まるまでは株価がどんどん上昇するが、決まると下落する。そういう銘柄が毎年決まってあるという。「今回でいえば、がん治療の小野薬品ですが、当初5%くらい上昇したのですが、そこからは下落しました」
あやたかさんの思うポイントは、「こういった投資の傾向や手法が広まったら、みんなイベントが終わると売るようになるので、売りのポイントがだんだん早くなってくるんですよ。2014年にはノーベル賞が終わった瞬間に下落。その翌年は受賞決定の3日前くらいから利益確定売りが出たんです。今年(2018年)は1週間前くらいから。来年は2週間前くらいかなとみています。このように投資手法がバレると、ポイントが早くなります。そこを予測して、先回りできれば利益は出せると思いますよ」
きちんと相場を見ている人はそういう変化に気づく。だから、本や公開されている投資手法のマネだけでは儲からないわけだ。
「自分の手法は考え続けなければいけないなと強く思っています。常におもしろいものがあれば、それを試してやってみようと思っています」と、あやたかさんは明かす。
投資の極意 あるとしたら、「挑戦と視野の広さ」
あやたかさんには、投資を始めたときに立てた目標がある。「20代で1億円を貯める」ことだ。「多くの方に絶対無理だって、笑われるんですけど。その目標がもう半分。高い目標じゃないなと。ただ、あと3年しかないんで...」
2016年の時点で、資産は1000万円ほどあったそれが現在は4800万円くらい。「実際はもうちょい増えてますね、ここ最近で。貧乏性なのか、別に生活水準は上がっていないんですが...。それに使っちゃうと投資資金がなくなっちゃうから(笑)」。
あやたかさんはどうしてそこまでストイックになれるのか、同じサラリーマンの読者は何から始めるべきか聞いた。「ふつう、知らない銘柄を見付けても、あまり興味を持たないと思うんですよね。でも、自分は知らない銘柄だから、逆に興味を持ったというか。つい調べてしまうんです。結果、自分なりの投資方法に行きつきました。
やはり自分が知らなくても1回試してみるというか、調べてみることが良いんじゃないかと思いますね。調べて、この方法よさそうだなと思ったら試してみるとか。とりあえず、わからないものを1回取り込んでみる。使えるか使えないかは別にして。そうすると、どんどん視野が広くなっていくのかなと。必要なのは挑戦と視野の広さ。それが重要だと思います。投資にセンスとか別にいらない気がします。」
投資の格言に「人の行く裏に道あり 花の山」がある。投資で成功するためには、他人とは別の道を、他人がやっていない投資手法のほうが稼ぎやすい。そんな意味の格言だが、投資の成功者は、誰もやらないことを黙々とやってきた人たちなのかもしれない。
あやたかさんも活用しているCFDに関して詳しく知りたい方はこちら
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