札幌市内の爆発事故で、ガス抜きをして引火したとされる除菌消臭スプレーは、不動産会社APAMANの賃貸物件で請求されることがある部屋の消臭・抗菌作業で使われていたと、テレビなどで報じられている。
スプレーを提供している関連会社「ヘヤシュ」(静岡市)は、J-CASTニュースの取材に対し、部屋の消臭・抗菌作業の目的で納入していることを明らかにした。
会社サイト上で謝罪
この事故では、APAMANが2018年12月18日、事故当時、店舗内にいた従業員から聞き取り調査を行ったところ、消臭スプレー缶約 120 本の廃棄処理後、湯沸かし器を点けたところ爆発が起きたとの報告を受けたとして、会社サイト上で謝罪した。
APAMANが運営するアパマンショップのサイトを検索すると、店によっては入居費用の一部として、「消臭・抗菌代」を請求している。その料金は、調べた範囲では、1~2万円台だった。
ネット上では、引火した消臭スプレーは、この費用の中で使われていたもののではないかとの指摘が出ている。
テレビ朝日系「報道ステーション」は、17日夜の放送で爆発事故を特集し、アパマンショップの別の店の元従業員の話を紹介した。
それによると、入居者への有料オプションとして消臭・抗菌のサービスがあり、店内には、それに使うスプレー缶がたくさん置いてあった。
会社では、サービスがどれだけ行われたかを確認するため、空になったスプレー缶を回収していたという。しかし、繁忙期などには、お金を取っても作業をするのを忘れることが結構あるとし、その場合は、使い切ったように見せるため、ガス抜きをしていたこともあると話していた。
従業員のノルマについて、APAMAN側「ございません」
こうした報道を受け、ネット上では、部屋の消臭・抗菌作業は、実際にはスプレーを噴射することだったとすると、1~2万円台の請求は高すぎるのではといった声も出ている。
また、本来はオプションのはずの作業を押しつけられそうになったとの報告もあった。ヤフー知恵袋の2010年2月23日付投稿によると、アパマンショップで2LDK物件の契約を進めようとしたところ、「消臭・抗菌代」2万円の支払いを求められたという。
テレビで流れた現場の映像を見ると、関連会社のヘヤシュが提供している消臭・除菌スプレーがいくつか映っていた。
ヘヤシュの担当者は12月18日、出火元とされる「アパマンショップ平岸駅前店」にスプレーを提供していると取材に答えた。また、それは部屋の消臭・抗菌作業でスプレーを使う目的であることも認めた。
スプレーは、不動産業者向けで市販されておらず、価格は公表していないとしている。
なお、ヘヤシュでは、APAMANの社長も役員を務めている。
APAMAN側は18日、平岸駅前店を運営しているアパマンショップリーシング北海道の社長が会見で対応すると取材に答えた。
社長は会見で、2日後の店の改装のための在庫処分でスプレー缶のガス抜きをしていたが、「通常では考えられない」と説明した。
スプレー缶は部屋の消臭・抗菌作業で使っており、作業費も含めて1本約1万円だとしたが、入居者に買ってもらう従業員のノルマについては、「ございません」と否定した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)