ボクシングのWBA世界スーパーミドル級タイトルマッチが2018年12月15日(日本時間16日)、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われ、サウス・アルバレス(28)=メキシコ=が、王者ロッキー・フィールディング(31)=英国=に3回2分38秒TKO勝利を収めた。
WBA、WBCのミドル級王者であるアルバレスは、今後、階級を本来のミドル級に戻す意向を示しており、世界返り咲きを目指す、同じくミドル級の村田諒太(32)=帝拳=の復帰ロードに大きな影響を及ぼしそうだ。
アルバレスは試合前から、ミドル級に戻ると公言
1階級上のスーパーミドル級でもアルバレスの強打は健在だった。身長が12センチも高い王者に対し、アルバレスはボディー攻撃を中心に試合を組み立て初回から完全にペースを握った。初回と2回にそれぞれ左ボディーでダウンを奪い、3回に右ストレートでダウンを奪うと、左ボディーでフィニッシュ。計4度のダウンを奪っての圧勝劇で1階級上のベルトを獲得した。
アルバレスは試合前に、「勝って再び自分の階級(ミドル級)に戻る」と公言しており、来年は階級をミドル級に戻し、ミドル級王者として防衛戦を行っていく。アルバレスは現在、WBAスーパー王座とWBC正規王座の2つの王座に君臨している。WBA、WBCのミドル級には、アルバレス以外の王者がおり、WBAはレギュラー王者、WBCには暫定王者が存在する。これにIBFとWBOの王者がそれぞれおり、計5人の世界王者が存在することになる。
現役続行にあたり村田は、ミドル級とスーパーミドル級の2つの階級を視野に入れて世界返り咲きを目指すことを明かしたが、現状、減量の不安がないため、スーパーミドル級に階級を上げる選択は現実的ではない。ボクシングは階級が1つ異なるだけで、対戦者のパンチ力が格段に強くなるといわれ、受けるダメージもより大きくなる。
ミドル級のリミット72.57キロに対して、スーパーミドル級は76.20キロ。減量に不安がないボクサーが、約3.6キロも重い1つ上の階級でリングに上がるのはリスクが高い。しかも、村田はアマチュア時代から一貫してミドル級で戦ってきただけに、スーパーミドル級のパワーに対応できるかどうかは未知数である。