米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、ホワイトハウスのウェブサイトにある請願コーナーに投稿された電子署名活動が広がりを見せている。活動は地元紙が記事で紹介したり、野党議員らがツイッターで署名を呼びかけたりしている。沖縄県出身のタレント、りゅうちぇるさん(23)も地元紙のツイートをリツイート(拡散)。幅広い層に署名の存在が知られるようになりつつある。
すでに集まった署名は7万7000筆以上(2018年12月17日15時時点)。請願の投稿から30日以内に10万筆集まれば、ホワイトハウスが請願の内容を検討して何らかの反応を示すことになっている。このペースで署名が集まれば10万筆を突破する可能性が高いが、トランプ政権は過去の請願にどんな反応をしてきたのか。
県民投票までは埋め立て停止を求める内容
請願を投稿したのは、ハワイ在住で沖縄の血を引く日系人の音楽家、ロバート・カジワラさん。請願は12月8日付で、19年2月の県民投票が行われるまで、辺野古や大浦湾の埋め立てを停止するように求める内容だ。これまで日本政府と米軍は玉城デニー知事と沖縄県民の民意を無視し、工事の不可逆的部分に着手しつつあるとして、
「もしこれが許されれば、確実に沖縄県民の間に強い反米感情を招き、米国と沖縄の関係が永遠にゆがめられることになる」
などと、トランプ大統領が工事中止を指示するように訴えている。りゅうちぇるさんは、12月14日に
「『トランプさん、辺野古を止めて』 米ホワイトハウスへ嘆願 電子署名10万筆を呼び掛け」
と題して沖縄タイムスが報じた記事をリツイート。りゅうちぇるさんが辺野古問題に対して何らかの具体的な発言をしているわけではないが、何らかの関心を寄せていることはうかがえる。
請願コーナーはオバマ政権下の11年9月にスタートしたが、17年1月に政権がトランプ大統領に移行してからは、紆余曲折をたどっている。トランプ政権は、当初は署名が「10万超え」になっても回答をせず「放置」。17年12月には、コスト削減を理由にサイトを一時閉鎖して別の署名サイトを立ち上げる方針が明らかにされた。ただ、この方針もうやむやにされたのか、AP通信によると、トランプ政権は18年2月頃から請願への回答を始めた。