メガファーマ誕生なのに... 武田薬品に「冷めた」見方消えぬ理由

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過去の大型M&Aはどうなった

   株主総会では買収承認に3分の2以上の賛成が必要だった。武田OBや株主ら約130人でつくる「武田薬品の将来を考える会」が買収反対を訴え、創業家出身で社長を10年間、会長を6年間務めた武田国男氏も反対の意向を示していたが、創業家全体でも株式保有比率は10%に満たない程度とみられることもあり、反対の輪は広がらず。総会では圧倒的多数で買収が承認された。

   ただ、不安も少なくない。製薬業界ではM&Aが日常茶飯事で、代表格が2000~2009年に総額30兆円規模を投じて巨額買収を重ねた世界最大手のファイザーで、2000年に英グラクソ・ウエルカムと英スミスクライン・ビーチャムが合併したグラクソ・スミスクラインもこれに次ぐ。ただ、両社も時価総額はM&A当時から目減りしており、企業価値を維持さえできていないことになる。

   医薬品業界は、新薬の特許切れとの時間の競争が宿命だ。買収が「時間を買う」戦略になるが、「その猶予の間に、新たな収益を生む新薬を開発できるかがカギ」(業界関係者)なのはいうまでもない。武田は、シャイアーとの研究開発機能の統合、開発拠点の米国シフトなどを検討している模様で、「稼ぐ力」をどれだけ高められるか、そこにおいて期待通りの相乗効果が生み出せるかが、今回の買収の成否を握る。

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