グーグルとアップル、フェイスブック、アマゾン――インターネット検索やネット通販など、主にネット上のサービスを企業や個人が利用する際の基盤(プラットフォーム)を提供する大手IT企業。代表格4社は、頭文字を取って「GAFA(ガーファ)」と呼ばれ、新語・流行語大賞の候補にもなった。
政府がそんな「プラットフォーマー」と呼ばれるIT(情報技術)大手への規制に乗り出す。有識者会議が2018年12月12日に中間論点整理を公表、年内に最終規制案をまとめる。
便利になればなるほど独占・寡占進む?
具体的には、実態調査を進めるとともに、専門家による監視、情報開示の義務化、寡占を強めるM&A(企業の買収・合併)の規制などを検討している。
上述のようなプラットフォーマーは、これまで日本では規制の対象とはみられていなかったが、検索サービスやネット通販が普及するにつれ、個人の検索履歴や買い物履歴などのデータが集中し、市場の寡占も進んだ。中間報告も、データが蓄積されるほどサービスの利便性が高まり、コストダウンも進んで、一部の巨大企業による市場の独占・寡占が起きやすいとして、規制の必要を主張している。
寡占化で何が問題か。大くくりにして2点がある。顧客情報の囲い込みで他社の新規参入が阻害されないか、市場で支配的存在になっているため取引先に値下げを強制したりしていないか、だ。加えて、収集した個人情報の取り扱いも問題となる。新規参入とデータとの関係はかつてなく高度化している。ITのデータ利用は広告配信に始まり、シェアビジネス、さらに自動運転などにも広がり、データを持つ企業が顧客開拓はもちろん、技術革新でも優位に立つ。データを独占するものは、持たぬものを市場から締め出せるということになり、新興企業が参入する機会を奪われかねない。そうして価格支配力が強まれば、中小企業など弱い業者が排除されるなど、不利益を受け、巡り巡って消費者の不利益にもなる――というのが規制派の主張だ。