プロ野球「年俸」報道の秘密 なぜ「※金額は推定」?いつから始まった?

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きっかけになったのはあのレジェンド

   74年の12月31日付けの各紙の紙面には、巨人・王貞治氏の契約更改に関する記事が大々的に掲載されている。この年、王貞治氏は2年連続で3冠王に輝き、日本人のプロ野球選手として初となる年俸6000万円超えを果たした。年俸6000万円超えは、メジャーリーグでもディック・アレン(ホワイトソックス)、ハンク・アーロン(ブリュワーズ)の2人しかおらず、世界で3人目だった。

   以下は当時の各紙紙面の見出しである。

「王、六千万円を突破」(朝日)、「王、ついに20万ドルプレーヤー」(読売)、「王 初の6000万円プレーヤー」(毎日)

   新聞各紙の過去の紙面を振り返ると、この報道を機に、翌年からプロ野球選手の契約更改の記事が一気に増え、現在のように年末の風物詩となったようだ。

   契約更改において、選手の年俸を報じる記事の文末に必ず目にするのが(金額は推定)の文言。74年当時からすでにこの注釈は存在しており、文中あるいは文末に(推定)、(金額は推定)の文字が入っている。

   なぜこの文字を入れる必要があるのかといえば、簡単に言うと、この金額は記者独自の「算出法」ではじき出したものであり、球団から正式に公表されたものではないからである。記者がスポーツ紙に在籍していた当時、年末になるとプロ野球担当者が球団を駆けずり回っていた光景を思い出す。

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