先日、ソフトバンクにおいて長時間にわたる通信障害が発生した。これにより、全国規模で多くのソフトバンクユーザーの携帯電話が「圏外」表示、あるいは繋がりにくい状況となり、街中に飛んでいる「フリーWi-Fi」に頼る人も多かったようだ。
緊急事態に活躍したフリーWi-Fiだが、そのリスクには何があるか。ITジャーナリストの三上洋さんに話を聞いた。
日本人の71%が、フリーWi-Fiで「リスクのある行動」
フリーWi-Fiは、飲食店や公共交通機関など、様々な場所で利用できる。また、各キャリア(携帯電話会社)が提供するWi-Fiサービスも、回線契約者は無料で使えることが多い。しかしこれらには、無料でインターネットを利用できる反面、セキュリティの面では不安な部分もある。
セキュリティソフトウェアの開発・販売を手掛ける「シマンテック」は17年、15の国と地域でモバイルデバイスおよびWi-Fiを利用する18歳以上の一般人1万5532人(1地域あたり約1000人)に対し、Wi-Fiセキュリティに関する意識調査を実施した。17年7月13日に発表した「ノートンWi-Fiリスクレポート(日本版)」によれば、日本人では71%、世界平均では87%の人がフリーWi-Fiでリスクのある行動をとっているという。
最も多い行動は「個人用の電子メールアカウントにログインした」で39%、次いで「ソーシャルメディアアカウントにログインした」が35%、「画像や動画を共有した」が24%だった。このほか「銀行口座をチェックまたは金融情報にアクセスした」「クレジットカード情報を入力した」が、リスクのある行動として挙げられている。
J-CASTニュースが、ITジャーナリストの三上洋さんに見解を聞くと、「一番よくないのは暗号化されていない(鍵マークがない)もの」。「完全に安全」なものはないが、「EAP認証」されたものは他の認証方式と比べて安全性が高いそうだ。
「一般的なサイバー攻撃や個人情報の漏洩に比べると、半径数10メートル以内のフリーWi-Fiの危険性は低いです。しかし(情報が盗まれるなどの)可能性はあります」