東京都心部でも急に冷え込んできて、そろそろダウンジャケットが手放せない季節になった。そんな中、クリーニング店の関係者がダウンに関して苦情が多くて困っているとツイッター上で明かし、話題になっている。
最近は、縫い目のあるダウンのほか、シームレスやノーステッチの加工をしたダウンも多くなってきた。
関係者ツイートに注目集まる
テープで貼ったような仕様で作られており、機能性が高いのが特徴だ。針で通した穴がないため、羽毛が噴き出てきたり、温かい空気が逃げてしまったりすることがない。
ところが、クリーニング店では、こうしたダウンにも手を焼いているようだ。
ツイッター上では、クリーニングが難しく、業界で問題になっていると店の受付担当者が2018年11月中ごろに指摘して、リツイートが1万件以上にもなるほどの話題になった。
12月に入っても、ダウンのクリーニング問題が再燃している。
縫い目のある従来タイプでも、いくつかの海外高級ブランドのダウンは、表面の素材が弱いほか、洗うとシミやほつれなどが出る恐れがあると、前とは別の受付担当者がツイッター上で指摘したのだ。
この担当者は、シームレスダウンについても、洗うとテープが外れたり、しみ抜き剤に弱かったりするとした。
前出の海外ブランドのも含め、本来はクリーニングをお断りしたいが、苦情を入れないことを条件に預かっているという。しかし、それでも苦情を入れる客がいるとして、どんなダウンなのかを客にも考えてほしいと訴えている。
この投稿についても、1万件以上もリツイートされるほどの反響を呼んでいる。
「最終的には客の判断」
ダウンのクリーニング問題について、東京都クリーニング生活衛生同業組合の担当者は2018年12月11日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
シームレスダウンは、テープの貼り付けにポリウレタンの樹脂を圧着剤として使っているが、ドライクリーニングはできないという。それは、クリーニングの溶剤がポリウレタンの劣化を早めてしまうからだ。しみ抜き剤も溶剤なので同様だという。
一方で、ダウンを洗うウェットクリーニングならできるそうだ。ただ、ポリウレタンは3年ほどで寿命となり、テープが剥がれるリスクもあるという。機能性は高いが、耐久性が劣るというトレードオフの関係にあるわけだ。
それを覚悟してもクリーニングに出すか、汚れていても着続けるか、最終的には客の判断だとしている。同業組合のホームページ上でも、「シームレスダウンの注意点」としてまとめてある。
縫い目のある高級ダウンについては、ドライクリーニングができる場合もあるが、ほつれなどが発生する恐れもあるため、店をよく見定めることが必要だと指摘した。高級ブランド向けのクリーニングをしている店もあり、割高にはなるものの、そうしたところを選ぶ手もあるようだ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)