コンビニも「独自ポイント」付与か
同じ看板のコンビニでも店舗によって差が出るのは混乱を招くため、個人経営のフランチャイズ店以外の直営店については大手コンビニが独自でポイントを付けざるをえないだろうという見方が関係者の間では有力だ。
今回のJR東の深沢社長の発言は「検討段階」とはいえ、消費税対策で独自にポイント還元を行なう考えを表明したことになり、大手企業では初めてだ。JR東関係者によると、ポイント還元はファッションビルの「ルミネ」や「エキナカ」店舗など、JR東グループの商業施設が対象となる。決済機能のあるスイカ以外のクレジットカードを使った場合もポイントを付けるかどうかなどは今後検討する。深沢社長は「具体的にどんな方法がとれるのか、システム的な問題も含めて現在、検討している」と述べた。
JR東がポイント還元の検討を表明したことで、セブンイレブンやイオンなど他の大手流通の対応が注目される。安倍政権は当初、還元率を増税分の2%とする考えだったが、増税後の消費落ち込みを防ぐため5%に引き上げ、2019年10月から20年6月までの9カ月間、ポイント還元を実施する方向に軌道修正した。中小企業のポイント還元に充てる国費は4000億円規模とみられ、これを呼び水に多くの大手企業がポイント還元を導入せざるを得なくなるとみられている。果たして、ポイント還元という消費増税対策が本当に必要かどうかを含め、今後、国会などで議論を呼ぶのは間違いない。