記者も、30年以上、ラグビーをプレーし、また記事も追ってきた。その中で「カーター対ギタウ」という世界トップの2人が、トップリーグ(TL)兼日本選手権「決勝」で対戦することになろうとは、予想だにしなかった――。
2018年12月15日、ラグビーTL兼日本選手権決勝で、神戸製鋼(以下、神鋼)VSサントリーが、東京・秩父宮ラグビー場で行われる。注目すべきは、神鋼のダン・カーター対サントリーのマット・ギタウという「世界のトップ」両司令塔の対決だ。サッカーで例えるならば、リオネル・メッシ(FCバルセロナ)と、C・ロナウド(ユベントス)の2人が、日本で「決勝戦」をするぐらいのレベルである。
ニュージーランド対オーストラリアの「エース」対決
実は、この2人、共通点が多い。
まず、神鋼のカーターだが、1982年3月5日生まれの36歳。178センチ、96キロと、ラグビー選手としては、そこまで大柄ではない。しかし、ニュージーランド代表「オールブラックス」で活躍。スピードや突破力、パスセンスはもちろん、「左足」から繰り出される正確無比なキックは大きな武器だ。過去には、ワールドラグビー(WR)の年間最優秀選手に3回選出されるなど「世界最高のスタンドオフ(SO)」とも評されている。
一方の、サントリーに所属するギタウは、1982年9月29日生まれの36歳。日本では「4月入学制度」のため、厳密にはカーターの「1学年下」となるのだが、海外では関係ない。体格も178センチ、85キロと遜色はない。ニュージーランドの隣国であるオーストラリア代表「ワラビーズ」で活躍し、SOをはじめ、スクラムハーフ(SH)、またはセンター(CTB)と、オールラウンドにこなせるユーティリティープレーヤーである。
年齢、体格、スキル...。ほぼ同じ2人なのだが、特筆すべきは、この2人が「左足キッカー」であるということだ。