背番号「19」が空いたタイミングも...
再契約のタイミングとともに「疑惑」の要因のひとつとなるのが背番号だ。現在、上原が入団から10年間、背負っていた「19」が空いており、来シーズンから背負うことが見込まれる。
この背番号「19」を巡っては、まず11月25日に菅野智之投手(29)が「19」から「18」に変更となり、今季、上原が背負っていた「11」を山口俊投手(31)が付けることが今月4日に決定。原辰徳監督(60)の背番号シャッフルにより、「19」が空きとなった時点でファンの間では上原の巨人復帰説が囁かれていた。
今季、未勝利とはいえ、巨人にとって上原は功労者。現役選手として期待する一方で、日米通算20年のプロキャリアを持つベテランの経験は、若手選手にとって生きた手本となる。また、将来的にコーチとして入閣する可能性もあることから、上原が支配下登録されていれば28人のプロテクトリストから外すという選択肢は考えにくい。
過去には、巨人はドラフト制度のルールの死角を突いた形で江川卓氏の獲得に動いた例がある。これは「空白の一日」事件として社会問題にまで発展。結果、巨人が取った行動は無効とされ、江川氏は一度、阪神への入団が決まり、後に小林繁氏とのトレードという形で巨人に入団した。この事件は球界の「負の歴史」として刻まれている。
巨人は上原を自由契約としてからわずか46日での再契約となる。上原の左膝が順調に回復し、来季のメドが立ったと判断しての再契約と見られる。ルール上、何ら問題はないものの、ファンから「プロテクト外し」の声が多く上がっているのも事実で、悪しき「前例」になりかねないと危惧する関係者もいる。