運動能力はもちろん話題性も抜群
不祥事で角界を去り、格闘家に転身したケースで記憶に新しいのが、元幕内の大砂嵐だ。自動車事故事件や重婚未遂疑惑などで今年3月に引退し、9月30日にさいたまスーパーアリーナで行われた「RIZIN.13」で格闘家デビュー。大相撲時代の四股名である大砂嵐の名でリングに上がり、ボブ・サップ(米国)と対戦し話題を集めた。
格闘技団体の関係者は「貴ノ岩は魅力的な存在。格闘技の経験はないが、現役バリバリの幕内力士で運動能力は申し分ないし、話題性も十分。格闘技界には、今までも相撲界で不祥事を起こしてきた力士を受け入れてきた土壌があるので、そこの部分は問題ない。年末の興行の目玉として、複数の団体がオファーを出す可能性は十分にあります」と、貴ノ岩の「価値」を大きく評価する。
今年10月に暴行を受けた日馬富士に対し、貴ノ岩は慰謝料などの損害賠償を求めて提訴したが、親族が母国でバッシングにあい、取り下げた。このような経緯から今回も母国でのバッシングを危惧して引退を決断したとみられる。
暴行事件の被害者から一転して加害者となって引退を余儀なくされた貴ノ岩だが、28歳の若さと強靭な体に格闘団体から熱視線が注がれる。