朝日、毎日、読売の新聞大手3紙の購読料の横並び状態が崩れることになりそうだ。読売新聞が月額4037円(税込、朝夕刊セット)の購読料を近く値上げするとの方針が、販売店関係者に伝えられた模様だ。値上げ幅は月額300~400円程度とみられる。
2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられるが、定期購読する新聞には8%の軽減税率が適用される。NHKは18年11月に受信料の値下げを発表したばかりだ。
実現なら約25年ぶり
値上げは18年12月中にも発表され、実際の値上げは19年に入ってからになる見通し。新聞購読料は消費税率引き上げのたびに値上がりしているが、本体価格の値上げは1994年1月に3650円から3850円に値上げして以来、約25年ぶり。読売はその2年前の1992年1月、3190円から3650円に値上げしている。当時の社告では、広告収入の落ち込みや戸別配達制度の維持などを値上げの理由に挙げていた。読売が値上げに踏み切った場合、横並びになっている朝日・毎日も、値上げをしたりページ数を減らしたりして、実質的値上げで追随する可能性がある。
軽減税率に対する批判が本格化する前に値上げに踏み切ったのが日経新聞だ。17年11月に、4509円から4900円に値上げしている。本体価格の値上げは1994年2月以来、23年ぶり。日本ABC協会がまとめた2018年上期(1~6月)の日経新聞の部数は243万5973部(前年同期比10.4%減)で、値上げが響いた可能性もある。
2018年上期の朝日、毎日、読売の部数は、それぞれ595万4336部(前年同期比4.9%減)、282万4325部(6.4%減)、851万2674部(3.6%減)。
経済紙という特徴を持つ日経でも部数が1割減る環境で一般紙が値上げに踏み切れば、大きな影響が出る可能性もある。
広報部「経営に関するお問い合わせには、従来お答えしていません」
NHKは18年11月27日、消費増税時に受信料額を据え置き、20年10月には地上契約で月額35円、衛星契約で同60円を値下げすると発表した。実質的な値下げ幅は4.5%。読売の新価格は、300円値上げして4337円になるという見方と、端数をそろえて4400円にするという見方がある。それぞれの値上げ幅は7.4%、9.0%だ。
読売新聞グループ本社広報部は、J-CASTニュースの(1)値上げの予定の有無や上げ幅(2)軽減税率適用にも関わらず値上げせざるを得ない理由、に関する質問に対して
「経営に関するお問い合わせには、従来お答えしていません」
とのみ回答した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)