厚生労働省が主催する「グッドキャリア企業アワード2018」が、平成30年11月27日に東京・時事通信ホールで開催された。
同賞は、従業員の自律的なキャリア形成支援について、他の模範となる取り組みを行っている企業などを表彰する賞で、今年度は「大賞」に5社、「イノベーション賞」に5社の計10社を選出。それぞれ賞状とトロフィーが贈られた。
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大賞を受賞した5社の代表者と鈴木厚生労働事務次官(中央)
パネルディスカッションで具体的取り組み披露
![基調講演を行ったLIFULL執行役員の羽田幸弘・人事本部長](https://www.j-cast.com/images/2018/12/news_20181205133124.jpg)
基調講演を行ったLIFULL執行役員の羽田幸弘・人事本部長
表彰式では鈴木俊彦厚生労働事務次官の挨拶(大臣代読)に続き、表彰状の授与、審査の総評、LIFULL執行役員の羽田幸弘・人事本部長による「社員が自律的に挑戦する組織のつくりかた」をテーマとした基調講演、休憩をはさんで、「グッドキャリア企業―社員が成長できる企業―とは」とのテーマでパネルディスカッションが行われた。
パネルディスカッションでは、法政大学キャリアデザイン学部の坂爪洋美教授がコーディネーターを務め、この日受賞した企業10社のうち4社(KMユナイテッド、コニカミノルタ、UTエイム、東邦銀行)のパネリストが各社の取組事例を紹介した。
![パネルディスカッションでコーディネーターを務めた法政大学キャリアデザイン学部の坂爪洋美教授](https://www.j-cast.com/images/2018/12/news_20181205133520.jpg)
パネルディスカッションでコーディネーターを務めた法政大学キャリアデザイン学部の坂爪洋美教授
KMユナイテッドは、ICTを活用した一流職人からの技能伝承と、セルフ・キャリアドックを軸とした多様な人材の育成について発表。これに対し、坂爪教授は「人を育成する方法は無限に広がり得ることが伝わってきた」と講評。 続いて、コニカミノルタが、時代の要請に対応した自律的なキャリアビジョンの実現を、本人・上司・会社の三位一体で支援する取り組みを発表。坂爪教授は取り組みの内容について、「毎年毎年ブラッシュアップされている点が素晴らしい」と講評した。
UTエイムは、無期雇用や転籍制度をベースとした派遣労働者の中長期的キャリアの総合的できめ細かな支援について発表。坂爪教授は、「派遣の方はともすれば成長機会を逃しがちですが、その機会を提供しつつ、なおかつ、将来を見せていくことを見事にマッチングさせた取り組み」と講評。 東邦銀行は、「ダイバーシティ・マネジメント」に基づく、従業員の多様なキャリアデザインの設定について発表。坂爪教授は、「東邦銀行さんの取り組みは年に数回聞かせていただく機会があるが、そのたびに新しい取り組みをなさっている」と日ごろの努力を評価していた。